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エコノミストが経済力の回復指摘

 ブラジル日本商工会議所の9月懇親でブラデスコ銀行チーフエコノミストのオタビオ・デ・バーロス氏が「ブラジル経済成長の謎」と題して講演、ブラジル経済は回復基調にあると指摘しました。
 これまでのブラジル経済についてバーロス氏は「経済減速の原因は国内にある」と述べ、今年第1四半期の農業GDPを8.5%低下させた南部及び北東部での干ばつや、トラックの生産・販売を低迷させている排出ガス規制「ユーロ5」の導入、供給過剰による住宅建設の危機などの特殊事情を挙げました。
 これに対し、「ブラジル経済の減速は政府が政策的に行ったことだが、政府はいま、その反対の政策を採り始めた」と述べ、電力料金の引き下げや工業製品税減税による国内工業の競争力増強により景気は活性化していくと語りました。
 同氏は世界経済については「若干の減速が続くが深刻な事態ではない」ととらえており、欧州経済については「不安は和らいできているが、回復するのは5年先」との見方を示しました。