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キリンがブラジル最大級のビール工場

 全世界のキリンビール関連企業を統括しているキリンホールディングス株式会社(本社・東京、三宅占二社長)は8月29日、ブラジル大手飲料会社「スキンカリオール」を買収後、バイア州アラゴイーニャス市(首都サルバドール市から北に約100キロ)のスキンカリオール工場拡張工事を行っていましたが、それが完工したと発表しました。
 バイア工場は幅420メートル、奥行き130メートルの規模で、900人の社員が24時間3交代制で勤務しています。年間生産量ビール90万キロリットル、ノンアルコール飲料40万キロリットルを誇るブラジル有数の巨大飲料工場で、製品販売はバイア州全土と近隣の州です。
 また同社は、地元にお世話になるとしてアラゴイーニャス市に100万レアルを寄付、その寄付金で市営広場改修工事が行われ、その工事も同時に完了、工場完工式と同時に広場のお披露目も行われました。
 披露式後行われた記者会見でキリン、スキンカリオール両社の経営幹部は「スキンカリオール・ブランドをキリンに変更する予定はない。キリンがブラジル飲料市場に浸透していない現状では、ブランドの変更は無駄になる」と語りました。
 キリンの三宅社長は、ライバル各社への対抗意識よりも消費者が何を欲しているかを知ることに注力するとし、「スキンカリオールのポテンシャル(潜在能力)はブラジルのポテンシャルそのものだ。ブラジル発展の波に乗って行くのに越したことはないが、とりあえずはバイア工場があるアラゴイーニャス市の発展に協力していきたい」と、当面は地元の足場を固めていく考えを示しました。