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日本・ブラジル間貿易に進展なし

 ブラジル日本商工会議所(近藤正樹会頭)の8月懇親会で講演した貿易審議会(CAMEX)のエミリオ・ガロファーロ・フィーリョ事務局長は、日本とブラジルの貿易に触れ、「輸出・輸入ともにこれといった進展は見受けられず、バランスは取れているが特に何も起こっていない。活性化していない」と指摘しました。その一方で、「中国及び韓国との貿易は年々盛んになっており、2010年には中国からの輸入は対前年比14%も増加、韓国からの輸入も5%増加するなど拡大している」と説明しました。
 この他同氏は、質問に応える形で政府の金利政策のついて「政府は必ずしも現在の金利が良い状態であるとは考えていない」と述べ、レアル高抑制のために中銀が行っている規制(IOF課税)については「現在行われている市場間単位での規制が、今後は企業間取引に対しても課税す ることが考えられる」と語りました。
 ブラジルの高い関税が貿易の障壁になっているとの質問には、「ブラジルの関税は35% を超えて課すことができない。現在、ブラジル人による国外での商品買い漁り現象が起きているが、今は過渡期にすぎない。今後、関税率の見直しが行われる可能性ある」と関税率変更の可能性に言及しました。
 ガロファーロ氏は、ブラジル中央銀行(BC)の渉外部門長、海外部門副取締役、金融部門責任者などを歴任し、現在は開発商工省の役人として開発商工相、外務相財務相など7大臣が出席して毎月1回開かれる貿易審議会の事務局長を務めるかたわら、貿易・為替関連企業のコンサルタントとして活動しています。