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雨不足で牛肉生産が不調

 フォーリャ紙の報道によると、牛肉輸出で国際シェアを拡大してきたブラジル食肉業界は今年、異常天候で牛が育たなくて輸出が出来ず、国際シェアが縮小しそうです。7月以降のブラジルは雨不足で牧草不足で肉牛が屠殺レベルまで育たず、生産が大きく落ち込んでいます。生産不足で牛肉の需給バランスが崩れ価格が高騰、このままの価格では国際競争力が低下すると懸念されています。この懸念は、短期間で払拭できそうもありません。
 ブラジルの牛肉業界はこれまで、量産による低価格で国際市場に食い込んできました。今年は雨不足で肉牛が育たず、生産農家が出荷できない状況が続いており、牛肉の質は低下しているのに価格が高騰し、低価格が武器のブラジル産牛肉は急速に国際競争力を失いつつあります。
 ブラジル肉輸出工業会のアントニオ・カマルデリ会長は事態打開について、「業界改革と新規市場開拓が不可欠だ。物流管理システムを含めた徹底的なコスト削減と技術革新で国際競争力を高める必要もある」と語っています。
 同会長はまた、EUに代わる市場開拓の必要性を強調。「ブラジル産牛肉は今や世界各国で普及しているが、今後は日本や韓国、台湾といった東アジアを視野に入れるべきだ」とも語りました。