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サンパウロ市でモノレール建設が本格始動?

 地下鉄やバスとともに市民の足となる新交通システム建設に向けた事業に取り組んでいるサンパウロ市では、昨年3月から、国際協力機構(JICA)の支援を受けて同プロジェクト実現のための準備調査が進めてきましたが、25日に開かれた『サンパウロ市都市交通整備事業準備調査報告会』でサンパウロ交通機関公社は、新交通システムとしてモノレール建設の必要性を強調しました。同モノレール建設に向け協力しているJICA調査団も、「都市交通システム選択にあたって重要なのは需要予測であり、1時間当たり4〜5万人の利用者が見込まれる場合はモノレールには適さない。しかし、サンパウロ市で開業した場合の1時間当たり利用客は最大で3万2100人であることから、大型車両を使用するモノレールは適している」と説明しました。さらに高低差が大きいサンパウロ市の地形を考えても、鉄製車輪ではなく、ゴムタイヤを使用するモノレールが最適と述べました。
 同プロジェクトは、東京モノレールの技術をサンパウロ市の新交通システムに導入しようというもので、JICAが技術者の研修を引き受けたり、借款供与を約束するなど全面的な協力を行っています。
 問題は資金の面で、サンパウロ市は莫大な借金を抱えており、JICAが円借款を供与するにしても、連邦政府の保証が得られないと建設計画は頓挫する恐れもあります。課題は資金面をどうクリアするかにかかっているようです。但し、関係者によれば、モノレール運用などの実務者研修なども始めており、同事業は実質的には動き出しています。ここまで漕ぎ着ければ、モノレール建設は間違いないとしています。
 モノレール建設は単なる都市交通システムだけの話ではなく、CO2(二酸化炭素)削減といった温暖化対策、地球環境保護活動の1つとされているだけに、是非とも早期の実現を望みたいものです。。