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高速鉄道計画は資金不足?

 12日付の地元紙フォーリャ・デ・サンパウロが報じたところによると、リオ、サンパウロカンピーナスを結ぶ高速鉄道計画で企業への融資方法を変更することになり、完成が大幅に遅れる見通しになりました。この変更により、今月に予定されていた入札は、来年第1四半期にずれ込み、2014年のサッカーワールドカップには間に合わないことが確定しました。
 計画は当初、社会開発銀行が200億レアルを貸与する予定でしたが、国際決済銀行自己資本比率規制に触れる可能性が出てきたため再検討となり、現在、国庫庁が融資を肩代わりし、社会開発銀行経由で貸与する案が上がっています。国庫庁融資には、保証金や保険金の事前払いが必要ないため、応札企業が増え、建設費が抑えられることも期待されます、
 一方、変更につぐ変更のため、ただでさえ遅れている計画がますます遅滞。当初、年度初めに予定されていた入札は、8月、10月へと延び、さらに来年第1四半期にまでずれ込みました。入札が予定通り行なわれたとしても、着工は早くて下半期以降。サッカーワールドカップ開催までの開通は絶望的になりました。
 政府予算では、346億レアルの総工費を見越していますが、企業関係者は、「最低500億レアル」と見ており、こちらも一筋縄では行かない様子。予算の再考に加えて、沿線都市では市を二分化する鉄道計画に反対する運動も起きており、先行きは楽観できない状況です。