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オリンピック開催が決定したかのような騒ぎ

 ブラジル人のお祭り騒ぎ好きは昔から知られていたことですが、オリンピック開催都市に名乗りを上げているリオデジャネイロでは、早くも決定したかのようなお祭り騒ぎになっています。これまでにも国際スポーツ大会をこなしてきた同市は、競技場建設などの新たな投資を最小限に抑えることが出来、国民の8割以上が開催に賛成など、日本や、アメリカとは比較にならないほど誘致に熱心です。2日の決定をみんなで喜ぼうとコパカバーナ海岸には特設ステージが設営され、IOC総会の模様が生中継で大型スクリーン映し出されます。これに先立ち27日には、勝利を祈願するミサがコルコバードの丘で行なわれました。
 IOC総会でブラジルは目玉のインフラとして、日本の新幹線も強力な売り込みを行っているリオ―サンパウロ間を結ぶ「高速鉄道計画」をアピールする意向です。現在同計画は大幅に遅滞していますが、2014年のサッカー・ワールドカップには間に合わないものの、「五輪までには十分間に合う」としています。
 誘致で一番のネックと考えられているのが治安の悪さです。五輪では各国から選手や観光客が大勢訪れるため、スラム街における麻薬組織絡みの抗争や殺人事件が日常茶飯事のリオは、シカゴ、マドリード、東京と比べて大きなマイナス要素です。これを克服できるかどうかが、誘致できるかどうかの関門とされています。このことはブラジル政府も十分に理解しており、すでにリオの犯罪対策に3千万レアル(約15億円)の予算を計上しています。
 リオにとって五輪招致は、2004年大会、2012年大会(ともに落選)に次いで三度目の挑戦。まさに悲願ともいえるもので、今回、「三度目の正直」で実現するかどうか、大いに注目されるところです。もっともブラジルでは、IOC評価報告書で最有力視されているだけに、決まったも同然という気分のようです。
 ブラジル贔屓の筆者としては、ここはリオ開催を支持したいところです。リオ開催となれば、ブラジルが一躍脚光を浴びますからね。