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ブラジル軍事政権下の左翼派団体、北朝鮮から資金援助

 13日付のオ・エスタード紙が報じたところによると、ブラジル軍事政権下の1970年代に国内で革命運動をしていた左翼団体が北朝鮮から資金援助と軍事訓練を受けていたことが分かりました。援助を受けていたのは、民衆先導革命党。共産主義を標榜する左翼団体で、当時の政府と対立し、軍隊と市街戦をしたこともあります。
 北朝鮮に送られたのは、民衆先導革命党が捕らえていたドイツとスイス領事の身柄と引き換えに国外追放処分が下されていた同党員の計9人。同党幹部は、キューバ北朝鮮大使と接触、ゲリラ戦のノウハウを得るため同国へ派遣することで合意、武装の補充や、拠点となる土地購入のために5万ドルの資金援助も約束されたそうです。共産主義北朝鮮へ入国するため、党員らは共産党政権だったチリからキューバに入り、その後カナダ、モロッコ、ソ連を経て、ようやく北朝鮮に入国しています。
 訓練に参加した元党員によると、訓練内容は過酷で、朝5時から午後10時まで30キロの砂袋を担いで歩いたり、7時間連続での水泳訓練や8キロの荒れた道を1時間で完走するなどという内容で3カ月も続いたといいます。
 1972年、訓練を終えて民衆先導革命党に復帰するため戻ろうとした党員らは、同党が壊滅状態となっていたため、帰国を断念せざるを得ず、ほとんどがチリに留まったということです。