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サンパウロ地下鉄公社の副業が大当たり

 サンパウロ市内の地下鉄駅構内に小売店が相次いで出店し、急成長しています。地下鉄駅構内のショッピングモールには郊外のショッピングセンターに負けない多様な商品が溢れ、地下鉄を降りたらすぐ買い物が出来るという便利さも手伝い、ここ数年、売上げは上向くばかりです。
 都市美観条例の施行により屋外広告がほぼ全面的に禁止され、駅構内に看板が集中、サンパウロ地下鉄公社の収入は大幅に増加してきました。それに加え今では、店舗出店者から入る賃貸料も大幅に増加し、サンパウロ地下鉄公社の駅構内ショッピング関連の全体年間総売上は、切符売上げの8%に匹敵する1億2000万レアル((52億8000万円)にも上っています。
 サンパウロ市にはショッピングセンターが51カ所もあり、市場規模から見て飽和状態といわれます。このため各店舗は新たな出店先として地下鉄構内に目を付け、サンパウロ地下鉄公社は新たな副業で売り上げ増をはかれると両者の思惑が一致、これまでに55駅に351店舗が出店するまでになりました。出店舗数はタツアペーショッピングセンター(出店数300店)よりも多く、店舗面積はサンタクルースショッピングセンターの2倍に達しています。
 サンパウロ地下鉄公社では今後、軒先を貸して賃貸料を取るだけでなく、各テナントの業績が好調なことから、自らも軽食店の経営に乗り出すことにし、手始めに自社の所有するバスターミナルに店舗を設置、新ビジネスを始めることにしています。