中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

中伯が国連改革、ハイチ問題で不協和音

 中国は、ブラジル、日本、ドイツ、インドのいわゆるG44カ国の国連常任理拡大計画に反対し、G4の提案が国連総会で可決されれば、国連常任理事会において「拒否権を行使する」との強い態度を示しています。これまでブラジルは、中国が国連常任理入りを支持していると思い込んでいただけに、苦い思いをかみしめているようです。
 この中国の態度は、アメリカが支持している日本の常任理国入りを阻止するためと見られていますが、ブラジルとしては今になって態度を豹変したかのような中国(今までは明確に反対と言ったことはなかった)に戸惑いを隠せないようです。
 また、中国は、ブラジルが主体となっているハイチ駐留国連平和軍の駐留延期にも反対しています。国連は、6月24日までの駐留としていますが、ブラジルは、ハイチの社会情勢はこのまま撤退できる状態にはない、と今年度いっぱいの駐留を考えていました。突然の中国の駐留反対に、ブラジル外交筋も頭を抱えているようです。
 中国のハイチ駐留反対は、中米における中国と台湾の覇権争いが原因と見られ、このところ急速に接近しているハイチと台湾の関係に中国がいらだっているため、というのが大方の見方です。
 いずれにしてもブラジルとは直接関係のないところで、中伯関係が不協和音を鳴らし始めたわけで、これまで中伯両国は経済関係を通して緊密化の一途と見られていただけに、注目しておく動きかもしれません。
 この記事を詳しく読みたい方は下記をご覧ください。
サンパウロ新聞 http://www.spshimbun.com.br/content.cfm?DA_N_ID=12&DO_N_ID=7768