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汚職で消える720億レアル

 ブラジルで発行されている週刊誌の報道によると、ブラジル国民が1年間に官僚の汚職で失う金額は720億レアル、約3兆円にもなります。この金額は1年間にブラジルが道路改修に投じた金額の60倍にも当たるそうで、この汚職がなくなれば、国民の一人あたりの所得が50%も上昇すると報じています。金額的に大きく、この金額が社会投資に回っていれば、確かに国民生活はもっと豊かになり、教育も行き渡り、犯罪も減少するだろうということはわかります。残念なことです。
 日本も、清潔な国のように見えて、実は巧妙な公金の無駄遣い、私的流用が行われ、その氷山の一角が時折摘発されています。もっとも日本の場合は、巧妙に仕組まれたことの場合が多く、犯罪とはいえない無駄遣いが多いといわれます。だからなかなか表面化せず、少ないように見えているだけなのかもしれません。これでは、とてもよその国の悪口など言えません。所詮、どこの国の官僚も考えることは同じなのでしょう。
 ブラジルの官僚は、堂々と汚職をするようで、この週刊誌は汚職の原因を、裁判が有効に機能していないからだと指摘しています。汚職して摘発されても、裁判が確定するまでに15年以上もかかり、時には時効になったりする。これでは犯罪に歯止めがかからないというわけです。
 いずれにしてもどこの国も、官僚の有効な汚職防止策は、なかなかなさそうです。