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日系社会の総理を決める決戦投票日迫る

 4月30日に実施されるブラジル日本文化協会長の決戦投票が,大きな注目を集めています。決選投票の候補は、上原幸啓、谷広海の両候補。そぞれぞれに今は、票固めに忙しく、最初の選挙で決選投票に残れなかった下本八郎氏の250票近くの票を得ようと、両候補は下元氏詣でを続けています。
 選挙の争点は、「レオ・ポルジーナ地区に日伯総合センターを造るかどうか」にあります。日系社会の象徴であるガルボンブエノ地区を離れるべきでなく、むしろ日伯学園構想を進めるべきだ、というのが1世の谷候補。それに対して2世の上原候補は、ガルボンブエノ地区は日系人の町ではなくなり、若い人たちは寄り付かない。新しい町に、新しい日系人の殿堂を造るべきだ、という考え。
 それぞれに理があり、有権者たちも頭を悩ませているところです。ただ、中には「日伯総合センター問題だけをクローズアップするのは、争点の矮小化だ。本来は、弱体化しつつある日系社会を今後どう立て直すか、その観点からの議論が見えてこない」という意見もあります。この選挙戦、1世と2世の争いのように見えながら、実は、移民社会は大きな歴史の流れの中でどのように変化していくのか、その一端が見えてくるエポックメーキングとも言えそうです。