中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

1月の失業率12%

 IBGE発表として27日付メディアの報道によると、2018年11月~19年1月の3カ月期の失業率は12.0%、失業者数は1270万人でした。18年10~12月期の失業率は11.6%、失業者数は1220万人です。

 自営業者と雇用主が大きく増加したのは商業、サービス業、宿泊・飲食業、輸送サービス業です。同統計の担当者は、「輸送サービス市場に配車アプリが登場したことで、従事する人数が増加傾向にある」と話しています。

性的暴行被害者の66%は「児童」

 国内メディアによると、ニュース専門チャンネル「GloboNews」が情報アクセス法に基づいて入手したデータで、サンパウロ市で2018年1~12月に被害届が出された性的暴行事件の被害者の42%(963人)が11歳以下で、24%(547人)が12歳以上17歳以下、34%が18歳以上と判りました。同市で起こった性的暴行事件被害者の3分の2が児童だったことになります。

 性的暴行の被害者の性別は、全体の85%(1963人)が女性、14%(332人)が男性、5人が不明(被害届に性別の記載がない)です。サンパウロ州公共保安局が毎月発表する公式統計では、サンパウロ市内における性的暴行事件の認知件数は増加傾向にあり、16年に2316件だった同件数は翌年には一気に2546件にまで増え、18年には2590件となっています。発生件数に対し容疑者の逮捕は180人に過ぎません。

サンパウロ市議会がプラ製ストロー禁止法実施へ

 国内メディアによると、サンパウロ市議会は27日、客にプラスチック製のストロー提供を禁じる法案の1回目の採決を行い、41対2と圧倒的多数の賛成で可決されました。しかし、法案が市議会を通過しても市長が承認する必要があり、そのためには市議会で2回目の採決を行い、賛成多数が必要です。ブラジルは週末からカーニバル休暇に入り、同法案2回目の採決は3月第2週になる予定です。

 同法案では、サンパウロ市内のホテルやレストラン、バー、軽食店、ナイトクラブ、ダンスサロンをはじめとする商業施設やイベント会場で、客にプラスチック製ストローの提供を禁じ、ストローを提供する場合には、リサイクル可能な紙や食用もしくは生分解性の素材で作られ、また同様の素材を用いた包装で密封されたもの、と規定しています。違反した場合、最初は警告を受け、2度目には1000レアル(約3万円)の罰金が科され、3度目には罰金額は2倍となり、違反が6度目になると罰金8000レアル(約24万円)が科され、しかも営業停止になります。

 サントス市を含むサンパウロ州沿岸部の6都市ではすでにプラスチック製ストローは禁止されており、サンパウロ州議会でも同州全域でプラスチック製ストロー禁止法案作成が進められています。同州の法案は罰金が500~5000レアル(約1万5000~15万円)で、サンパウロ市の法案より罰金額が低く設定されています。

ホンダ新工場が稼動

 ホンダは27日、サンパウロ州中東部の町イチラピナで、これまで2度にわたって稼動開始を延期していた新工場での生産を開始しました。ホンダによると、10億レアル(約300億円)を投じ

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ホンダのブラジル工場(ホンダ提供)
たイチラピナ工場は敷地面積580万平方メートル、年間最大12万台の生産能力があります。まず「フィット」の生産(日産90台)を始め、21年までにブラジル国内で生産されるすべての車種を同工場で組み立てる予定です。

 工場は2015年に完成していましたが、ブラジルは当時、史上最悪と言われる経済危機の中にあり、新車市場も落ち込んでいました。このためホンダは同工場の稼動開始を延期、市場が回復するのを待っていました。南米ホンダは、「当時は国内の2工場で生産を行うほどの需要がなかった」と話しています。

「隣人」に暴行される女性が増加

 26日付メディアによると、調査会社ダタフォーリャの調査で暴力を受けた女性の5人に1人が隣人からの暴力と判りました。隣人からの暴力被害女性はこの12カ月間増加し、「隣人」は暴力の加害者の21.1%を占めるまでになっています。調査は2月4、5日にブラジル130都市で行われ、16歳以上の女性1092人が回答しました。回答した女性の27.4%が1年以内に何らかの暴力を受けており、暴力を受けた女性の76.4%が「暴力を振るったのは知人」と答えています。

 暴力を振るった相手は「交際相手」(23.8%)が最も多く、続いて「隣人」(21.1%)、「元交際相手」(15.2%)、「父親または母親」(7.2%)、「友人」(6.3%)、「兄弟姉妹」(4.9%)、「雇用主または職場の同僚」(3.0%)の順でした。年齢層別に見ると、16~24歳の42.6%が暴力を受けたと回答、25~34歳は33.5%、35~44歳は27.1%、45~59歳は17.8%、60歳以上は13.6%でした。

リオ市内商店1万店が廃業

 リオ・デ・ジャネイロ市では2018年1~12月に小売店などの商業店舗1万店が廃業しました。廃業者数は昨年より15%多くなっています。12月の書き入れ時であるクリスマスシーズン中でさえ、1445店が店を閉じました。これは昨年12月より33%増加しています。リオの商業者団体、リオ小売幹部クラブ調査として国内メディアが報じました。

 商店経営者は、「リオ州が陥っている経済危機のほか、販売の落ち込み、経済活動の低迷、高い失業率、暴力、露天商の増加」と商業店舗の大量閉鎖原因を説明しています。またリオ小売幹部クラブの代表は、「リオ州の経済状況が消費者の消費行動を阻害し、購買意欲に減退させている」と指摘しました。都市暴力と露天商の無秩序な増加が商店の販売活動に悪影響を与えている、との声もあります。

グアルーリョス国際空港の乗降客数が過去最多

 21日付国内メディアによると、ブラジルの空の玄関口であるグアルーリョス国際空港(サンパウロ州)の年間乗降客数が昨年、過去最多を記録しました。同空港を管理・運営するGRUエアポート社が発表したもので、これまでブラジルでサッカー・ワールドカップが開催された2014年の乗降客数(3950万人)が最多でしたが、18年の乗降客数はこれを260万人上回る4210万人を記録しました。内訳は、国内線の乗降客が2730万人、国際線の客が1480万人でした。

 グアルーリョス国際空港は1日平均の発着回数が830回、1日平均の乗降客数が12万人という南米最大の空港で、昨年12月からは視界良好時に限り、2本の滑走路を使った同時離着陸の運用を開始しています。空港管理会社によると、同時離着陸の運用は空中および地上での航空機の待機時間の短縮、二酸化炭素排出量の削減、フライト定時性の向上につながる、としています。

中国向け輸出、減速か

 国内メディア19日付によると、最大の取り引き相手である中国向け輸出は2019年も拡大する見込みですが、その拡大ペースは減速するとみられています。ゼツリオ・ヴァルガス財団の貿易指数レポートで判りました。米中間の貿易戦争が、これまでブラジルから中国への大豆輸出に大きな恩恵をもたらして来ました。18年の中国への大豆輸出は35%増加し、ブラジル産大豆の82%が中国向けでした。しかし、中国は中断していた米国からの大豆輸入再開の動きを見せており、ブラジル産大豆は大きな打撃を受けることになります。

 中国はブラジル産鶏肉に対しては税金を課しており、このため19年には大豆輸出に加え、中国向け鶏肉輸出も苦境に立ちそうです。同財団は「中国は引き続きブラジルにとって主要な市場であり続けるが、輸出金額は増えても量の伸びは18年よりも小さくなる」と指摘しています。

交通事故死が53%増加=サンパウロ市=

 19日付メディアによると、サンパウロ州交通事故情報管理システムのデータとして、サンパウロ市内における交通事故死者数が大きく増加、2019年1月の交通事故死者数は87人と、昨年同月比53%(死者数57人)増でした。交通事故死は歩行者とオートバイ乗員(運転者もしくは後部座席乗員)の死亡者が多く、交通事故死者87人のうち34人は歩行者、30人がオートバイの乗員でした。サンパウロ州全体を見ても、今年1月は交通事故死者数は増加しています。18年1月の死者数は390人、昨年1月の死者数は429人でした。

 サンパウロ州文民警察のデータによると、サンパウロ州内では17年から18年にかけ交通事故による「殺人罪」での逮捕者が169人から200人へと18%増加しています。逮捕者は、現行犯逮捕と逮捕令状の執行(故意の殺人および過失致死)の合計で、故意の殺人による逮捕者数が30人から26人へと13%減少する一方で、過失致死による逮捕者数は139人から174人へと25%増加していました。

デング熱 サンパウロ市内で勢い増す

 国内メディアによると、サンパウロ市内で1月から2月12日までにデング熱への感染が201例確認され、2018年の1年間に同市内で確認された感染例(563例)の35%に上っています。サンパウロ市保健局が警戒を呼びかけています。

 デング熱はデングウイルスが原因で発病する感染症で、ネッタイシマカヒトスジシマカが媒介します。デングウイルスには4種類の型があり、一つの型に感染し治癒しても、他の型への免疫機能は出来ません。むしろ続けて他の型に感染すると、病状が重くなるといわれています。サンパウロ市内ではこれまで1型と3型の感染例が多く、2型への感染はみられませんでした。サンパウロ市では現在、異なる型のウイルスが同市内へ侵入する可能性を懸念しています。

 サンパウロ大学医学部のエスペル・カラス教授は、「サンパウロの人にとって2型は新たなウイルスであり、免疫のある人は少なく、感染の広がりが心配される」としています。デング熱への感染対策は、ウイルス媒介の蚊の繁殖を防ぐことが第一で、産卵場所の水溜りなどをなくす努力が大切と言われます。