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大統領選挙に13氏が立候補届け出

 国内メディアによると、10月7日に1次投票が実施される総選挙の立候補届け出期間が15日で終了し、16日から選挙運動が始まりました。大統領選には、13人が選挙高等裁判所に立候補を届け出ました。

大統領選候補者

 アルバロ・ジアス(ポデモス党=Podemos) カボ・ダシオロ(愛国者党=Patriota) シロ・ゴメス(民主労働党=PDT) ジェラルド・アルキミン(社会民主党=PSDB) ギリェルメ・ボウロス(社会主義自由党=PSOL) エンリケメイレレス(民主運動=MDB) ジャイル・ボルソナロ(社会自由党=PSL) ジョアン・アモエド(ノボ党=Novo) ジョゼ・マリア・エイマエル(キリスト教民主党=DC) ジョアン・ゴウラール・フィーリョ(自由祖国党=PPL) ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ(労働者党=PT) マリーナ・シルバ(持続可能性ネットワーク=Rede) ベラ・ルシア(社会主義統一労働者党=PSTU)

 選挙高裁は9月17日までに立候補の可否を判断します。

ルーラ氏が人気

 調査機関パラナ・ペスキーザスの大統領選投票意向調査では、元大統領のルーラ氏を投票先に挙げたのが30.8%で最も高く、以下、ボルソナロ氏(下議、22%)、シルバ氏(元大臣、8.1%)、アルキミン氏(前サンパウロ州知事、6.6%)、ゴメス氏(元大臣、5.9%)と続いています。

 ルーラ氏は収賄および資金洗浄で4月から収監されており、法律では2審に有罪判決を受けた人物の被選挙資格を停止すると定められているため、立候補できるかどうかは微妙です。ルーラ氏が出馬できなくなった場合、調査ではボルソナロ氏を投票先に指定した人が23.9%で最も高く、シルバ氏(13.2%)、ゴメス氏(10.2%)、アルキミン氏(8.5%)と続いています。

スーパーの6月売上がプラス3.3%

 国内メディアによると、ブラジルの全スーパーマーケットの6月売上高は対前年同月比で3.37%拡大しましたが、対前月比では0.70%減少しました。ブラジル・スーパーマーケット協会(Abras)が31日発表したものです。

 同協会は、対前月比がマイナスになったのは5月のトラック運転手ストの影響が大きく、予想の範囲内としています。同協会のマルシオミラン専務理事は「トラックのストが長期にわたるのではという懸念から、消費者が5月末に各種製品の買い溜めに走った」と説明しています。

 スーパーマーケットの上半期(1~6月)の売り上げは、17年上半期比で2%伸びています。しかし、同協会は経済状況の悪化を理由に年間予想を、今年1月に示した前年比3%増から同2.53%増へ下方修正しました。

美容整形で合併症の患者5人死亡

 アジェンシア・ブラジルの報道によると、リオデジャネイロ州では3月以降、美容整形が原因とみられる合併症で女性4人が死亡しています。警察は手術に関わった3人の医師と2人の女性(看護師助手)を起訴しました。女性2人は、専門的な教育を受けていませんでした。

 ブラジルでは美容治療と美容形成外科の利用者が多く、米国に次いで世界2番目の多さです。ブラジル形成外科学会のデータによると、昨年は150万件の手術が行われ、60%は美容手術、40%は整形手術でした。患者の80%は女性で、多かったのは豊胸手術(女性)、脂肪吸引(女性と男性)、顔の美容整形(女性と男性)の3種でした。

 形成外科学会では、「手術希望者の多いリオ州やサンパウロ州には、適切な養成を受けることなく美容整形手術をしようとする医師が多い」と警告しています。リオ州地域医師審議会ネルソン・ナホン会長は「医師でない人による違法な医療行為は、国家サニタリー監督庁と警察に通報するべ」と強調しました。

岩手県人会創立60周年に達増県知事ら40人が出席

 ブラジル岩手県人会(千田曠曉会長)主催の県人会創立60周年、県人移住100周年記念式典に岩手県から達増(たっそ)拓也県知事、佐々木順一県議会議長、谷藤裕明盛岡市長、本田敏秋遠野市長、小野寺正則金ケ崎副町長ら慶祝団約40人が出席します。慶祝団には岩手県郷土芸能団(藤沢清美団長)も同行の予定です。

 達増県知事は式典で、岩手県人会員15人を「移住功労者」として表彰する予定です。式典は26日、サンパウロ市東洋街の電気工組合ホールで開催されます。式典前日の25日には岩手県人会主催で慶祝団歓迎会が、同東洋街の岩手県人会館ホールで開かれます。

喜多方ラーメン3000食完売=日本祭り=

 福島県産品の風評被害払拭を目的にブラジルを訪問した福島喜多方日伯物産振興協会が第21回日本祭りで、福島県人会とともに郷土食の喜多方ラーメンを販売、3000食を完売しました。今回販売を担当したのは数年前に喜多方市のラーメン業界有志が海外向け販売会社として立ち上げた「グローバル倶楽部」でした。

 福島県人会では「喜多方ラーメンは、青年部の動きがスムースだったこともあり、目標の3000食を完売できた」と語り、喜多方日伯物産振興協会は「サンパウロ以外の別の地域で日本祭りを行う関係者から、喜多方ラーメンの麺を提供し作り方を指導してほしい、との声が聞かれる。福島県産品は放射能汚染という風評があるが、まったく大丈夫であることをアピール、悪い評判を払拭したい」と話していました。

サンパウロ州知事選はスカフ氏が有力

 調査会社MDAサンパウロ州知事選投票意向調査によると、前サンパウロ市長のジョアン・ドリア氏(PSDB)とサンパウロ州工業連盟(Fiesp)会長を休職中のパウロ・スカフ氏(MDB)が人気上位にランクされています。国内メディアが報じました。調査は2日から5日まで州内75市の計2002人から回答を得たものです。

 投票先としてドリア氏を挙げた人は16.4%、スカフ氏を挙げたのが16.2%で、拮抗した状態にあります。両氏に続くのが現知事のマルシオフランサ氏(PSB、5.0%)、ルイス・マリーニョ氏(PT、4.8%)です。ドリア氏とスカフ氏による2次投票となった場合には、スカフ氏が29.7%、ドリア氏が26.8%でスカフ氏が有力になっています。

 現時点では、投票先を決めていない人が65.9%もいて、スカフ氏が有力というものの、状況はこれから大きく変わりそうです。

女性誌など5誌を休廃刊=大手出版社アブリル=

 地元メディアによると、南米最大のメディア・コングロマリットであるアブリル・グループの中核出版社エヂトーラ・アブリルが先ごろ、今後も発行を続ける雑誌15誌を発表しました。継続する15誌の中に女性ファッション誌「ELLE」(エル)など5誌が含まれていず、休廃刊になると見られます。エヂトーラ.アブリルは「深刻な技術変革が続く現在、事業運営の健全性を保つための改革」としています。

 発行部数国内最大の週刊誌「veja」(ベージャ)、隔週刊経済ビジネス誌「EXAME」(エザミ)、自動車雑誌「QUATRO RODAS」(クアトロ・ローダス)、旅行雑誌「Viagem e Turismo」(ビアジェン・エ・トゥリズモ)は発行が継続されます。

 休廃刊になるのは「ELLE」の他、「COSMOPOLITAN」(コスモポリタン)、住まい・インテリア系雑誌の「CASA CLAUDIA」、「MINHA CASA」(ミニャ.カーザ)、美容誌「BOA FORMA」(ボア.フォルマ)などです。

 なお、エスタード・デ・サンパウロ紙(電子版)は、今回の改革で800人近くが解雇されると報じています。

大統領選の候補者、ほぼ出揃う

 国内メディアによると、各政党の総選挙に向けた候補者決定党大会が終了し、大統領選に向けても13党が自党の立候補予定者を選出しました。選挙高等裁判所で候補者全員の出馬が認められれば、1989年以降で最多の立候補者数になります。選挙高等裁判所の登録審査は9月17日までに行われます。

 5日までに各党大会で選出された13人の候補は次の通り(アルファベット順。カッコ内は年齢、政党および主な公職)。
 アルバロ・ジアス氏(73、ポデモス党=Podemos、上院議員) カボ・ダシオロ氏(42、愛国者党=Patriota、下院議員) シロ・ゴメス氏(60、民主労働党=PDT、元国家統合相、元下議) ジェラルド・アルキミン氏(65、社会民主党=PSDB、前サンパウロ州知事) ギリェルメ・ボウロス氏(36、社会主義自由党=PSOL) エンリケメイレレス氏(73、民主運動=MDB、前財務相) ジャイル・ボルソナロ氏(62、社会自由党=PSL、下議) ジョアン・アモエド氏(55、ノボ党=Novo) ジョゼ・マリア・エイマエル氏(78、キリスト教民主主義=DC、元下議) ジョアン・ゴウラール・フィーリョ氏(61、自由祖国党=PPL、元リオ・グランデ・ド・スル州議) ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ氏(72、労働者党=PT、元大統領) マリーナ・シルバ氏(60、持続可能性ネットワーク=Rede、元上議、元環境相) ベラ・ルシア氏(50、社会主義統一労働者党=PSTU、同党州支部長)

人気はルーラ元大統領

 調査会社ダタフォーリャの投票意向調査では、ルーラ氏に人気が集まっており、以下ボルソナロ氏、シルバ氏、ゴメス氏、アルキミン氏と続いています。

 人気のルーラ氏は、ペトロブラスにからむ汚職で2審でも有罪になり、4月から収監されています。立候補の可否は、選挙高等裁判所への登録後の審査でで判断されますが、控訴審で有罪となった人物の公職への立候補はフィッシャ・リンパ法で禁じられており、出馬が不可能となることも考えられます。ルーラ氏の出馬が不可能となった場合は、同氏の副大統領候補として承認されたフェルナンド・ハダッド氏(元サンパウロ市長)が正大統領候補になると思われます。

 ダタフォーリャの調査では、ルーラ氏が出馬できなかった場合、ボルソナロ氏が有力候補になります。

MDBの大統領選候補はメイレレス前財相

 国内メディアによると、民主運動党(MDB)は2日、ブラジリアで開催した全国党大会で大統領選挙の候補にエンリケメイレレス氏(72、前財務相、元ブラジル中央銀行総裁)を指名しました。テメル大統領も所属するMDBは、下院議員51人、上院議員18人、州知事5人、市長1049人と、政党別では最も多くの政治家が所属しています。同党が独自の候補者を擁立するのは1994年以来です。

 党大会の投票では、419票の85%にあたる357票がメイレレス氏を支持しました。反対票は56票で、白票は6票でした。副大統領候補は来週初めにも同党の委員会で選出される予定です。

 メイレレス氏はルーラ政権時代の03年から10年まで中銀総裁を務め、16年5月のテメル政権発足時から今年4月まで財務大臣を務め、同4月MDBに入党しました。

10月総選挙の有権者は1.47億人

 国内メディアによると、選挙高等裁判所は1日、10月総選挙時の有権者数を1億4730万2354人と発表しました。有権者は国内5550市の他、世界110カ国に住んでいます。

 今年の有権者数は、4年前の前回選挙時(1億4282万2046人)から3.14%増加しました。投票が任意の16歳と17歳の登録数は、4年前の163万8751人から140万617人へ14.53%減少しています。ブラジル地理統計院の人口調査では、この年齢層の人口は7%減少しています。在外有権者は50万727人で、前回選挙の35万4184人から41.37%増加しました。

 総選挙は10月7日に1次投票が行われ、大統領、州知事、上下両院議員、州議会議員が選出されます。大統領および知事は、1次投票で有効票の過半数を獲得した候補がいない場合は、10月28日に上位2名による決選投票(2次投票)が行われます。