中南米の最新情報

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スーパー業界売上、前年比0.22%増

 ブラジル・スーパーマーケット協会は2日、スーパーマーケット業界全体の2月の売上高は対前年同月比で0.22%増加した、と発表しました。前月比では4.28%減、1、2月累計で見ると、前年同時期比で1.57%増になっています。各メディアが報じています。

 同協会のジョアン・サンゾボ・ネト会長は、「2月の伸びは予想を下回り、食品価格の下落が影響した」と説明、「一部の食品価格が2018年を通して徐々に上昇し、広範囲消費者物価指数(公式インフレ指標)を上回ると考えている」と指摘しました。

ルーラ元大統領の2審有罪後の刑執行を57%が支持

 各メディアによると、2審で有罪判決を受けた被告の刑期開始を過半数の57%が支持しました。調査会社ダタフォーリャの調査で分かったもので、汚職の減少への期待は低下していました。世論調査は11日から13日に実施され、4194人が回答しています。

 ルーラ氏の収監については妥当と答えた人は57%で、全ての司法手続き終了後の収監が妥当と答えた人は37%でした。刑期開始を支持した人は南部、南東部、中西部で高く、ルーラ氏が属する労働者党の支持者の57%が反対でした。

 2審有罪判決における申し立ての可能性がなくなった時点で、上位の裁判所への上訴が可能な場合でも暫定的な刑期開始が可能かという問題については、2016年10月に行われた連邦最高裁判所の審理で11判事中過半数の6人が可能との判断を示しています。

 石油ペトロブラスにからむ汚職の捜査ついては、回答者の84%が継続を支持し、終了すべきと答えたのは12%でした。しかし、この捜査でブラジルの汚職が減少すると考えているのは37%にとどまり、昨年9月の調査時の44%から減少しました。変わらないと答えたのは、44%から51%に増加しています。

収監後もルーラ元大統領の支持衰えず

 各メディアによると、調査会社ダタフォーリャは15日、10月実施の大統領選挙投票先意向調査の結果を発表しました。ルーラ元大統領が7日に収監されてから初めての調査で、同氏の名前を挙げた割合は30~31%もあり、相変わらず高支持率を示しています。1月の調査では37%でした。

 その他の候補予定者はジャイル・ボルソナロ下院議員が15~16%、マリーナ・シルバ元上議が10%、立候補の意思を表明していないジョアキン・バルボーザ元連邦最高裁判所長官が8%、ブラジル社会民主党党首のジェラルド・アルキミン前サンパウロ州知事が6%、シロ・ゴメス元大臣が5%でした。調査は4月11~13日に行われ、4194人が回答しています。

 ルーラ氏が出馬せず、同じ労働者党のフェルナンド・ハダッド元サンパウロ市長、またはジャケス・バグネル元大臣が立候補した場合は、ボルソナロ氏が17%、シルバ氏が15%、バルボーザ氏が9~10%、ゴメス氏が9%、アルキミン氏が7~8%となっています。

 ルーラ氏の大統領選出馬の可否は、選挙高等裁判所で最終的な判断が行われますが、同氏が出馬すると考えている人は32%で、1月調査時の53%から減少しました。ルーラ氏の出馬は認められるべきでないとする回答者は50%でした。

サンパウロ州知事選

 翌6日、ダタフォーリャは10月のサンパウロ州知事選の投票動向調査結果を発表しました。同調査は11~13日に行われ、サンパウロ州内の1954人から回答を得ました。調査ではジョアン・ドリア前サンパウロ市長が最も有力になっています。

 パウロ・スカフ(サンパウロ州工業連盟)会長が出馬する場合は、ドリア氏29%、スカフ氏20%。スカフ氏が出馬しない場合はドリア氏が36%の支持を得ています。その他アルキミン前州知事の辞任で知事に就任したマルシオフランサ氏が8~10%、ルイス・マリーニョ元サンベルナルド・ド・カンポ市長が7~9%となっていました。

下着購入はネット通販が増加

 各メディアによると、テキスタイルや履物、家具などを専門とする市場調査会社のIEMI社が2月に行った調査で、ファッション性の高い下着を購入する女性はインターネット通販の利用者が増えていることが判りました。調査の対象となった女性の12%がオンラインストアを利用すると回答しています。2015年の調査では7.6%でした。

 IEMI社は、「下着販売のネット通販利用者はまだ少ないが、ネット通販のシェアは徐々に拡大傾向にある。ネットでの下着販売はこの先数年間にさらに拡大すると思う」と話しています。

 下着の人気ブランド「ホープ」の販売会社ホープ・ランジェリー販売拡張担当者は「多くの衣服購入者は商品を直接目で確かめたいと思っているが、安さと利便さでオンライン購入者は増加傾向にある」と話しています。同社の売上全体に占めるオンラインストアでの割合は8%と少ないのが現状ですが、2015年時点ではわずか4%程度だったのを考慮すれば、増加傾向とは言えそうです。

 IEMIの調査では、ネット通販を利用する女性の主な理由は、「購入の容易さ」や「より低い価格設定」を挙げています。店舗で購入するとした女性は、「店員の対応」「豊富な品揃え」「特売セール」などを挙げていました。

日本庭園棟門が完成=サンパウロ総合大学=

 ブラジル・ニッポン移住者協会(杓田美代子会長)は、ブラジル日本移民110周年記念事業としてサンパウロ総合大学構内にある日本庭園の修復を進めていますが、同庭園に新設する棟門が完成、5日、上棟式を行いました。棟門はコチア青年有志が寄贈したものです。上棟式にはサンパウロ総領館の野口泰総領事、サンパウロ大学都市長のエルメス・ファゼル・ダ・ジャン氏らも出席しました。同庭園の修復は6月に終了予定です。

 杓田会長は上棟式で「日本移民110周年に向けて、昨年の6月から修復作業を進めてきました。棟門はコチア青年の有志の方々に支援していただき、完成に至りました」と謝辞を述べ、「日本庭園は日本文化の象徴。後世に至るまでこれからも守っていきます」と挨拶しました。

 コチア青年で棟門の建立に携わった西川忠雄さん(80、新潟)は「今から60年前にブラジルへ移住したが、皆独立して本当に立派になった。サンパウロ大学の日本庭園は、日系社会のシンボルとして残していきたい」と語りました。

集団脱獄失敗で21人死亡=ベレン近郊=

 地元メディアによると、アマゾン川河口の町ベレン市近郊のサンタ・イザベル刑務所で10日、囚人が集団脱獄するという事件が起き、脱獄実行者と警備部隊との銃撃戦で刑務所職員を含む21人が死亡しました。脱獄は午後1時ごろに始まり、実行者の一部は武装、外部からも脱獄を支援する武装集団が刑務所の壁を爆破するという大がかりなものでした。

 パラー州公共保安局は、施設内外での銃撃戦で刑務所職員1人と5人の脱獄実行者、刑務所内へ侵入しようとした支援グループのメンバー15人が死亡した、と発表しました。このほか警備部隊の職員5人が負傷し、4人が入院しています。

 州当局は事件収束後直ちに施設内の点検と囚人数の確認を行い、支援の武装集団からはライフル2丁を含む5点の武器を押収しました。騒動に乗じて逃亡したものはいませんでした。事件後、同刑務所には警備強化のため軍警察特別作戦部隊が投入されています。

 同刑務所は9施設からなり、6000人以上が収容されています。脱獄した囚人を収容していた施設は、432人の収容枠を越える605人が収容されていました。同施設についてはこれまで、国家司法審議会が外部からの支援で脱獄が行われる危険性を指摘していました。

3月のインフレ率、過去24年間で最低

 地元メディアによると、2018年3月の広範囲消費者物価上昇率は0.09%で、前月の0.32%を大きく下回りました。3月のインフレ率としては1994年以降24年間で最も低い数字です。ブラジル地理統計院が10日発表しました。

 地理統計院の調べでは、今年第1四半期(1~3月)のインフレ率は0.70%で、第1四半期としては94年以降で最も低くなっています。今年3月までの直近12カ月間のインフレ率は2.68%で、ブラジル中央銀行設定のインフレ目標下限(3・00%)も下回りました。

 調査対象の中で「交通」「通信」の2つはデフレ傾向にあります。「交通費」は前月より0.25%低下、「通信費」も0.33%低下しています。地理統計院は、「交通費」の低下は航空運賃が平均で15.42%値下がりしたことが主因で、「通信費」の低下は今年2月25日から始まった固定電話から携帯電話への通話料(市内及び市外通話)の値下げが原因、と説明しています。

 2つ以外の上昇率は食品・飲料品0.07%、住居0.19%、住居用品0.08%、衣類0.33%、健康・パーソナルケア0.48%、個人経費0.05%、教育0.28%となっています。

ルーラ氏は収監解除の途を探る

 収賄資金洗浄で有罪判決を受け、7日、連邦警察に収監されたルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領弁護側は、同氏の上級裁判所への上訴など収監解除に向けた法的措置を検討中です。国内メディアが報じています。

 ルーラ氏は収監前、金属労組建物前で1時間に及ぶ演説を行い、自身の潔白を訴えると同時に、「無実であることを証明するために出頭する」と述べました。金属労組の周辺は5日夜から多数の支持者が集まり、建物の周囲を埋めていました。ルーラ氏がクリチバの連邦警察施設に到着した際も、集まったルーラ支持者と警察の間で小競り合いが起き、支持者の中には負傷した人もいました。

 ルーラ氏は、クリチバの連邦警察施設内に用意された1室に収容されています。施設を弁護士が訪問しており、収監解除に向けた法的措置について相談していると見られています。最高裁には現在、2審有罪判決後の暫定的な刑期開始について合憲かどうかの確認を求める訴えが起こされていますが、それらの訴えが最高裁で取り上げられるかどうか、現時点でははっきりとしていません。

ルーラ氏支持派が報道陣に嫌がらせ

 ブラジル調査報道協会によると、首都ブラジリアの中央統一労働組合本部前とサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポ市内の金属労組事務所前で、ルーラ元大統領収監反対派を取材中のジャーナリスト、記者、カメラマンが収監反対派から車の窓ガラスを割られたり、激しい言葉を浴びせられたりの嫌がらせを受けました。各メディアが報じています。

 ブラジリアの労組本部前では、ルーラ支持派30人がコレイオ・ブラジリエンセ紙車両の窓ガラスを破壊するといった暴力を振るいました。幸いにも車内にいた男性運転手、女性記者、女性カメラマンに怪我はありませんでした。テレビ局の取材チームも取り囲まれ、「ここから出て行け」などと激しい言葉を浴びせられ、ロイター通信の男性カメラマンは取材を続けることが出来ず、現場を離れました。

 また、サンベルナルド・ド・カンポ市内の金属労組前でも報道陣への嫌がらせが行われ、通信社のカメラマンが、ルーラ支持派のシャツを着た男に卵を投げつけられたりしました。

 同報道協会は「報道陣に対する暴力はいかなる状況でも容認できない。ジャーナリストの職務を妨害することは民主主義を攻撃するのと同じことだ。加害者は処罰されるべきだ」と訴えています。

ルーラ元大統領を連邦警察が収監

 最高裁で人身保護を却下されたルーラ元大統領は6日、南部パラナ州クリチバの連邦警察施設に出頭命令が出されていましたが、同氏は出身労組の金属工組合建物に籠城し出頭しませんでした。7日になって連邦警察は同氏を収監しました。

 ルーラ氏は相変わらず有権者の人気が高く、10月の大統領選で返り咲きが有力視されていましたが、この収監で大統領選出馬の可能性が消えました。ただ同氏は収監されても上訴し、無罪を訴えるとしています。