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検事総長がクーニャ下院議長の解職請求

 地元での報道によると、ロドリゴ・ジャノー検事総長は16日、連邦最高裁判所(STF)に対し、エドゥアルド・クーニャ下院議長(ブラジル民主運動党、リオ州)の捜査継続をする予防措置として同氏の議長および下院議員としての職を解くよう求める請求を提出しました。請求の中でジャノー検事総長は11の事例を挙げ、クーニャ氏が自身の仲間とともに企業家からの賄賂や、自身に対する捜査や下院における議員任期剥奪請求審議の妨害のために自身の地位を不当に利用した疑いがあると指摘し、今後不正な行為が行なわれることを避け、捜査を正常に行なうためには解職が必要と説明しています。これに対しクーニャ氏は、「請求は政治的な動機による」と述べ、最高裁で始まったジルマ大統領の弾劾請求に関する審理の焦点をずらすためだと話しました。
 検事総長は請求の中で、クーニャ氏が下院議長の地位を利用、仲間の協力を受けて、刑事的な領域でも政治的な領域でも自身の指揮と指摘されない形で自身の保護を図り、捜査を妨げたと指摘しています。請求は、ペトロブラス汚職にからむ裁判を担当するテオリ・ザバスキ判事に送られ、同判事により最高裁で審理を行なうかどうか判断されます。最高裁は19日から1月末まで休暇となるため、18日に決まらなければ判断が下されるのは2月以降となります。
 請求で挙げられた事例では、企業や銀行の利益となる暫定令(MP)に関係した、賄賂支払いの圧力をかけるための情報請求提出との関係、自身の議員任期剥奪請求を審議する下院倫理審査会で審議継続を指示した報告者を恐喝、議会ペトロブラス調査委員会への招致で減刑付き供述を担当する弁護士を脅迫したことなどが指摘されています。
 報道によれば、家宅捜索で押収されたクーニャ氏の携帯電話から、同汚職事件に関連した企業役員と交わしたメッセージのやり取りが明らかになっており、同企業の利益となる暫定令提出について話し合っていました。捜査関係者によれば、クーニャ氏はその見返りとして2回計190万レアル(約6000万円)の支払いを要求しています。押収資料の中には、クーニャ氏関連のスイスの銀行口座や議会ペトロブラス調査委員会、仲間の議員による暫定令に関する書類、倫理審査会の報告者が受けた恐喝や賄賂の申し出に関するものもあるとされています。