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自動車輸出が減少

 工業製品税(IPI)減免措置の延長に次ぐ延長で国内の新車販売はやや勢いを取り戻していますが、ブラジルの自動車工業界を取り巻く環境は必ずしも良好とは言えません。国内の諸問題に起因する競争力の低下や隣国の貿易障壁、新たな供給国の出現などで輸出が大幅に落ち込み、ブラジルを南米地域における生産の中心地ととらえていたメーカー各社は計画の見直しを迫られています。
 ブラジルで生産する自動車メーカーの数が1990年代に倍増して以降、南米市場向け自動車輸出の中心地と考えられてきました。近年は人件費の高騰やインフラ整備、物流コストの問題などによって価格競争力が低下し輸出が減少、ブラジルとの間で無関税協定を結んでいるメキシコやアルゼンチン向けも含めて大きく落ち込んでいます。
 アルゼンチン政府などは来年からブラジル製自動車に対して多くの制限を課そうとしていて、今後さらに輸出台数がしぼむ可能性もあります。
 現地メディアによると、自動車工業界による今年1〜10月期の輸出額は昨年同時期の134億ドルよりも8億ドル少ない126億ドルにとどまりました。この8億ドルの70%はアルゼンチン向け輸出の減少によるもので、今年1〜10月のアルゼンチン向け輸出は昨年同時期に比べて5億7000万ドル少ない37億ドルにまで落ち込んでいます。