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ブラジル、中国の経済成長鈍化を懸念

 ブラジルにとっては米国に次ぐ大手の貿易パートナーである中国の経済成長が二桁を割り、第3四半期に9%にまで落ちてきました。これがブラジル工業界に暗雲をもたらしています。
 米国に始まった金融危機が欧州に広がり、今では世界中が経済の停滞に見舞われています。中国は経済成長の鈍化を食い止めようと、製品価格を下げての安値攻勢で、輸出ドライブをかけてくるのではないかと、ブラジル工業界は懸念しているのです。
 仮にこうした政策を中国がとれば、ブラジルは電気電子製品、履物、衣料品類で壊滅的な打撃を被ることが予想されます。逆に中国は輸出増加に拍車を掛ける一方、ブラジルからの輸入は減少する可能性が否定できません。ブラジルの対中輸出品の8割は鉄鉱石と大豆関係が占めています。ブラジル鉄鋼院(IBS)によると、ブラジルは15アイテムの鉄鋼品の輸入関税を0としており、このため中国が輸出攻勢をかけてくることは十分に考えられます。
 今年1〜9月の対中貿易は輸出137億ドル、輸入148億ドルで、ブラジルが11億ドルの赤字になっています。昨年は1年間で18億ドルの赤字でした。この赤字はさらに拡大しそうです。
 中国向けの主な輸出品は大豆が金額的に大きく47億ドル、ついで鉄鉱石32億ドル、原油9億8000万ドル、大豆油6億2000万ドル、パルプ5億ドルとなっています。
 中国からの輸入品は電話用サーキット7.4億ドル、パソコン用パーツ、付属品6.5億ドル、パソコン5.1億ドル、コークス4億ドル、携帯電話のパーツ3.6億ドル、電気用モーター、トランス3.3億ドルが主なものです。