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W杯日本代表は「前向きなプレーを」

 サッカーW杯ロシア日本代表の決勝トーナメント出場をかけた対ポーランド戦が行われた28日、サンパウロ市東洋街のブラジル日本文化福祉協会ビル地下の「カフェ喜怒哀楽」、同市ベラ・ビスタ区の「ジャパン・ハウス」でパブリック・ビューイングが行われ、両会場とも日本人や日系人の熱気に包まれました。

 日本は「フェアプレーポイント」でセネガルを上回り、なんとか決勝トーナメントに進んだものの、両会場では、日本代表の試合後半の試合態度にブーイングが起きました。各国のマスコミが日本代表に失望する記事を掲載していますが、日系社会でもこの日の日本代表には失望したようです。

「カフェ喜怒哀楽」会場

 日本代表は、後半に時間稼ぎのパス回しで試合会場内で大ブーイングを受けましたが、「カフェ喜怒哀楽」の来店者たちも、この試合運びに納得のいかない様子でした。テレビ画面の前列で日本代表を応援していた小川彰夫さん(75、2世)は首を振りながら、「あんなプレー(後半のパス回しによる時間稼ぎ)を10分も続けては、世界に対して恥ずかしい。僕は反対。負けてもいいから最後まで前向きにプレーしてほしかった。つまんない試合は最悪」と感想を口にしました。

 また、20代の日系2世(男性)も「もっと攻めてほしかった。どうも、しっくりいかない試合ですね」と話していました。中には少数ですが、「まあ、せっかく決勝トーナメントに進んだんだから、次の試合に期待するよ」との声もありました。

「ジャパン・ハウス」会場

 ジャパン・ハウスには約120人が集まり、「にっぽん!」と手拍子で大事な一戦を応援しました。サポーターの大半は日本人で、国歌斉唱では「君が代」を口ずさむ姿も見られました。在サンパウロ日本国総領事館の野口泰総領事は、日本代表に見立てた青いネクタイを締めて声援を送りました。

 会場内は終始盛り上がっていましたが、0−1で敗戦が決まった時は静まり返りました。しかし、日本代表が「フェアプレーポイント」で決勝進出を決めると、明るさを取り戻しました。駐在員の日本人女性(45)は「最後はどうなるかと思った。決勝トーナメントに行けることは快挙。これから強豪と面白い試合を見せてほしい」と日本代表にエールを送りました。

 日本代表のユニフォームを着て応援したマルセル・ミノル・深水さん(42、3世)は「今日はディフェンスが動いていなかった。次戦では大迫選手にゴールを決めてほしい」と期待をにじませました。