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治療が必要なインターネット依存症

 地元メディアによると、片時もインターネットから離れられない「インターネット依存症」が問題視されるようになり、リオ市に依存症を治療する施設が出来ています。自営業のマルセロ・コルレアさん(42)はインターネットが大好きで、インスタントメッセージやソーシャルメディアを愛用していました。家族旅行でリオ州内陸部の別荘に滞在したとき、インターネットが使えないことで気分が悪くなり依存症であることに気付きました。コルレアさんは「丘の上まで登らなければ電波が届かなかったので、妻を家に残して一人で丘に登り2〜3時間ずっとインターネットをしていた」と当時を振り返ります。
 コルレアさんの依存症は悪化し、インターネットが無いと極度の不安やストレス、パニック症状で仕事にも支障が出るようになりました。このためリオデジャネイロ国立総合大学研究所付属のデリート研究所で2カ月間治療を受け、2週間インターネットを使わなくても平気になりました。同研究所では2012年からインターネット依存症患者の治療を行っており、これまでに受け入れた患者数は300人以上に上ります。
 インターネット依存症の問題は米国で20年前から研究されています。依存症が原因で日常生活に支障が出て社会から孤立、仕事や学業を辞めてしまう患者も少なくありません。84人の重症患者を診察してきた心理学者のベルスカ・サントス氏は「テクノロジー依存症も別の物への依存症もメカニズムは同じで、脳の同じ部分が刺激されて発症する。インターネット依存症患者を治療する時は、最初からインターネットを取り上げてしまうのではなく、考え方を変化させて不安に耐えるための認識セラピーを施す。インターネットの使用時間はその後で少しずつ減らしていく」と治療法を説明しました。