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モノレール建設、リオ五輪にも間に合わず

 地元での報道によると、サンパウロ市のモノレール17号線の敷設が予定通り進まず、サンパウロ州政府はリオ五輪後の2017年に完工予定と発表しました。地下鉄1号線のジャバクアラ駅と4号線のサンパウロ・モルンビー駅をつなぐ17号線は全長18キロ、18駅で、同線にはコンゴーニャス空港駅もあります。第1期工事としてモルンビー駅からコンゴーニャス空港駅までの8駅、8キロの建設が行われていますが、いまだに1駅も完成していない状況です。
 第1期工事は当初、2013年の竣工予定でした。駅周辺にはサッカー・ワールドカップ(W杯)などで集客を見込んだ新しい施設も建設されましたが、肝心の地下鉄建設が進まず建築資材はサビつき放置されています。コンゴーニャス駅付近にレストランをオープン(2013年)したマルレネ・アラーニャさんは「客は増えるどころか10%以上減った。通行人は工事現場付近を避けるようになり、治安も悪くなった」と苦虫を噛み潰したような顔です。
 工事は細々と続けられているように見えますが、工事現場で働く作業員の数は少なく、通勤途中のアデミル・コスタさんは「W杯前までは多くの作業員がいたが、W杯後はいなくなった。昨年は桁(けた)の倒壊事故が発生し、その撤去作業が行われているだけ」と現場の状況を語っています。
 地下鉄(メトロ)側は、毎日1300人の作業員がモノレール敷設作業に従事していると説明し、作業の遅れは主に環境許可の取得に時間が掛かり、建設予定地の地盤に問題があるためとしています。資材のサビつきは、表面上のもので材質に問題はないとも説明しています。