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ブラジル国産の巡航ミサイルを世界市場へ

 地元メディアによれば、ブラジル陸海空軍が今年9月、巡航ミサイル「MTC300」を使用した合同演習「ラッサドール作戦」を初めて実施しました。巡航ミサイルとは飛行機のように翼とジェットエンジンで水平飛行するミサイルのことで、射程300キロという優れた性能です。戦闘訓練としてブラジル南部の3軍隊から総勢8200人が参加して実施された戦闘シミュレーションは成功裏に終わリました。
 実際の戦闘の手順を追って行われたシミュレーションでは、ミサイル発射台を備えた装甲車が射撃態勢を取った上で標的が設定され、結果は想定目標に着弾が確認されました。今回の演習の主な目的は、どのような条件で同ミサイルを採用し、どう使用するかを見ることでした。
 コンピューター制御による自動飛行機能を持ち重量200キロの弾薬を搭載して飛行可能なMTC300は、多連装ロケットシステム「アストロス2020」の一部に組み込まれています。アストロス2020はブラジル陸軍の近代化を目指した最重要戦略の一つに位置付けられてるほか、ブラジル政府の来年度の経済活性化計画(PAC)からも3億レアルの予算の充当が期待され、そのうち9200万レアルは既に確保済みです。同ミサイルの費用は1基当たり67万ユーロに上るとされ、導入の初期段階で100基がサンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市のアビブラス・アエロエスパシアル社によって運用される見通しです。