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ブラジルの靴業界に危機感

 地元メディアによると、ブラジルの靴製造の中心地であるサンパウロ州フランカ市で、中国などアジア諸国から格安価格で輸入される競合品との価格競争に耐え切れないメーカーが続出、大幅な人員削減が吹き荒れようとしています。こうした事態を前に、ブラジル履物工業会はすでにアジア諸国の靴製造メーカーがで不当に安い価格で靴や部品を販売しているとしてダンピング(不当廉売)の容疑で貿易協議所に告発しています。
 同工業会の告発後、中国産の靴部品に対し182%の輸入税を課すことが決定しましたが、靴部品の輸入シェアのほぼ全体を占める国内メーカー95社に免税を認めたため、実質的にはほとんど効果が見られません。フランカ市靴製造業者労働組合のジョゼ・ド・コウト会長は、免税措置で「国内の靴生産量の低下と人員削減につながる」と懸念を表明しています。
 ブラジル履物工業会の調べによると、08〜11年に輸入されたアジア産の革靴は1650万足。これだけの革靴が国内で生産されていれば、1カ月当たり6万2500人分の雇用を創出していたと語っています。