中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

脳死判定前の患者の腎臓摘出で有罪判決

 サンパウロ州タウバテ市内の病院で1980年代に起きた「脳死判定前の患者の腎臓を摘出して違法に移植した」とされる事件の被告3人(医師)に20日、殺人罪が適用され、17年6か月の有罪判決が下されました。地元メディアの報道によると、この医療事件は、当時のタウバテ大学医学部院長で原告のローズベルト・サー・カルメ医師の名前にちなんで「カルメ事件」と呼ばれています。
 有罪判決を受けたのはマリアーノ・フィオレ・ジュニオール、ルイ・ノローニャ・サクラメント、ペドロ・エンリケ・マスジュアン・トレシリャスの3被告。判決が下されるまでに約40時間にわたる審議が行われました。裁判の焦点は、被害者が実際に脳死状態だったかどうかを判定せずに腎臓を摘出したのかという点にありました。裁判官は、脳死状態を判定せずに腎臓を摘出したとして、懲役17年6か月と1745レアルの罰金の支払いを命じました。
 マルシオ・アウグスト・フリジ・デ・カルバーリョ検察官は「歴史的な判決」と評価し、「タウバテ市民は正義を勝ち取った」と語りました。説得力のある証拠が発見されたことが、有罪判決に結び付いたと見られています。
 セルジオ・サルガード・バダロー弁護士は、この判決を不服として控訴の予定です。