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豊かになって始まったブラジルの援助交際

 援助交際は日本だけの社会現象と考えていたのですが、めざましい経済発展を遂げるブラジルでも、少女たちの援助交際が静かに始まっていました。これまで少女の売春といえば、家庭の貧困からというのが通り相場だったのですが、今では携帯電話やブランド品など高価な身の回り品欲しさに少女たちが売春をしているというのです。
 少女売春の実態は、世界子ども基金ブラジルの調査で明らかになったものです。これまでは大半が食べ物欲しさや家庭事情など「貧困」などから少女売春は行われていましたが、今回の調査で高価な身の回り品ほしさに売春する少女が3分の2に上り、関係者らは衝撃を受けています。
 調査は、性的虐待を受けた子どもたちの専門応対機関を訪れた売春経験のある10歳から17歳までの少女66人を対象に、全ブラジル8州で実施されました。調査の内容は性交渉の開始年齢から売春までの経緯や動機、家庭事情、金銭の用途について聞き取ったものです。
 その結果、少女たちの売春開始年齢は平均16歳で、半数が「親しい女友達に紹介されて」始めていることが分かりました。行為の見返りとして受け取るのは、大半(82%)が現金。1回につき10〜150レアル(500円〜7500円)で、平均は37レアル(1850円)でした。手にした金は携帯電話やブランド物の洋服やスニーカーの購入にあてると回答したのが全体の65%に上り、調査を実施したサンパウロ、中西部ブラジル、南ブラジル、東北ブラジルどこでも同じ傾向を示していました。
 この調査結果に研究者らは「予想外の結果」と驚き、国の富裕化に伴い「少女売春=貧困」という図式から変質しつつある指摘しています。そして「自分では買えない服や香水を買う」とする回答が目立ち、「携帯(電話)を持っていないなんて人間じゃない」という少女もいるなど、売春する少女たちの罪悪感の無さに驚く調査官もいたといいます。