中南米の最新情報

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カーニバルの経済効果は62.5億レアル

 地元メディアによれば、全国商業連合は2018年のカーニバルがブラジルの旅行・観光関連業界にもたらす経済効果を62億5000万レアル(約2187億円)と予想しています。対前年度で1.2%の落ち込み予想ですが、最近2年間に比べるとかなり良い数字です。16年度は対前年比13.9%の落ち込みで、17年も7.2%の前年割れでした。

 同連合は、今年のカーニバルの収益予想は「バーやレストランなどの外食部門(36億レアル=約1260億円)、道路輸送部門(10億3000万レアル=約360億円)、ホテルやポウザーダといった宿泊サービス部門(7億560万レアル=約247億円)で収益の85%を占める」としています。また同連合は「カーニバル時期の需要に対応するため、1、2月は1万9300人が臨時採用され、雇用の改善に貢献する」ともしています。

 カーニバルの恩恵を最も受ける州はリオ州で、経済効果は19億レアル(約665億円)に上り、次いでサンパウロ州が17億レアルの恩恵を受け、リオとサンパウロ2州で経済効果全体の62%を占めることになります。

ルーラ氏の大統領選出馬は反対51%

 国内メディアによると、ルーラ元大統領の大統領選挙出馬に関しダタフォーリャが1月末に行った世論調査では出馬に反対する人が51%、賛成が47%で、支持と不支持の割合が拮抗していました。同調査は29~30日に国内174市2826人を対象に行われました。

 ルーラ氏は2審での有罪判決により出馬が不可能となる可能性のほか、2審の不服申し立て手続き終了後に暫定的に刑期が開始される可能性があります。ルーラ氏が選挙戦に参加すると思うかとの質問では、参加しないが43%、参加するが32%となっています。

 逮捕されるべきかどうかでは、53%が逮捕支持、44%が不支持の回答でした。逮捕されると思うかについては56%が逮捕されないだろうと考えています。ルーラ氏の禁錮12年1月の有罪判決を正当と考えている人は50%で、不当と考えているのは43%でした。

大統領選の投票動向はルーラ元大統領がトップ

 ブラジルのメディアによると、調査会社ダタフォーリャは29~30日に実施した「大統領選挙の投票動向」に関する調査結果を31日、ルーラ氏が34~37%の支持でトップだったと公表しました。今回の調査は、国内174市の計2826人を対象に行われました。

 高い支持を得たルーラ元大統領は24日、収賄資金洗浄の罪で1審と同じく2審も有罪と判断されました。しかし、判決後に実施された今回の調査でも支持率トップに変化はありませんでした。控訴審の有罪判決でルーラ氏は,選挙高等裁判所の判断次第では大統領選挙への出馬が不可能となる可能性があるなかで、高い人気を維持しています。

 予想される立候補者の中ではルーラ氏を加えたパターン(内閣の顔ぶれのようなもの)が最も支持率が高く、組み合わせの最高は37%に達しています。ルーラ氏が2次投票に進み、対立候補にジェラルド・アルキミン氏(サンパウロ州知事)、マリーナ・シルバ氏(元環境大臣)、ジャイル・ボルソナロ氏(下院議員)を想定した投票意向でも、ルーラ氏は全てのパターンで対立候補を上回っていました。

ベネズエラ人のブラジル流入が続く

 経済的、社会的に混乱する自国を離れたベネズエラ人が、ブラジルへどんどん移り住んでいます。ベネズエラ人はベネズエラと国境を接するロライマ州の国境市パカライマや州都ボアビスタに集中して住み、彼らの急増で行政サービスに影響が出始めています。ベネズエラから100キロほどしか離れていないボアビスタ市にはベネズエラ人が4万人(市人口33万人の1割)も住んでいます。フォーリャ紙が報じています。

 連邦警察によれば、2016年にブラジルへ入国したベネズエラ人は5万7000人で、出国は4万7000人でした。17年には7万1000人が入国、2万9000人が出国、4万2000人が残留したままです。法務省は、「ブラジルに移り住んだベネズエラ人の難民申請件数は、16年の3356件から17年には1万7865件に急増している」としています。

 ボアビスタ市の連邦警察署は、「毎日午前7時ごろにはブラジル入りしたばかりのベネズエラ人約400人の列ができている。ブラジルで就労するための何らかの証明書を発行してもらうためだ」と話しています。ベネズエラ人のブラジル移住が本格化したのは16年。当初は働き盛りの男性が大多数でしたが、今では1個か2個のスーツケースを手に家族全員が移動してくるそうです。

 連邦警察の列の中にいた31歳の女性は、娘と夫、4人の親族と共に並んでいました。ベネズエラ北部のクマナーから3日かけてボアビスタに到着、そのうち2日はブラジル側の国境の街道で野宿しました。この女性がブラジル入りしたのは3カ月前、雇い主の家で住み込みの乳母をして家族を呼び寄せる資金を貯めました。しかし、「乳母の仕事は一時的。家を買う余裕もないため、どこに引っ越すつもりだ」と話しています。市では「彼らに対する支援がないため、職の多い他州への旅費も援助できない」と説明します。

 市の保健・教育システムは機能せず、州による2カ所の避難所は数カ月間にわたり過密状態。にも関わらず、移住者は増える一方です。17年には、同市内の公立校に600人のベネズエラ国籍の子供が入学しました。保健施設で世話をした数は3万2000人に上り、277家族がブラジル政府の生活補助を受けています。

ミナス州は黄熱病で非常事態

 地元メディアによると、ミナス・ジェラス州政府は26日、黄熱病で非常事態の州内保健管区をこれまでの3管区から5管区へ拡大しました。この措置で非常事態とされる自治体が94市から162市に増加しました。非常事態とされた保健管区は中心地域のベロ・オリゾンテ管区(39市)、イタビラ管区(25市)と森林地帯のポンテ・ノバ管区(30市)でした。この管区にジュイス・デ・フォーラ管区(37市)、バルバセナ管区(31市)が新たに加えられました。同州内の全853市のうち18.9%が非常事態とみなされたことになります。

 州保健監視予防局では「今回の決定は指定していた管区と同様に、地域におけるウィルス存在の徴候とされるサルの死亡と感染が疑われるケースが増加しているため」としています。

 同州では2017年7月以来、黄熱病による死亡が25件確認され、うち5件が森林地帯、16件がベロ・オリゾンテ圏内です。感染確認は47件で99件が調査中です。州保健局は、州民のワクチン接種率は82%に達したとしています。

日本人男性が強盗被害=ベロ・オリゾンテ市=

 在リオ日本国総領事館管によると、11日、州都ベロ・オリゾンテ市内の『Hotel Bh Platinum』前で日本人男性が強盗被害に遭いました。

 事件は次のように起きました。被害者が同ホテルで知人と待ち合わせのため1人でホテル前に到着したところ、いきなりヘルメット装着の褐色の男が目の前に現れ、拳銃を突きつけた上で被害者の財布、iPhoneが入ったリュックサックを強奪し、強盗犯は共犯者と思われる人間が用意していたバイクで逃走しました。

 在リオ日本国総領事館では事件の教訓として①常に周囲に気を配り、人通りの多い通りであっても警戒を怠らないようにすること②被害に遭遇した時は決して抵抗せず、素直に相手の要求に従うことと指摘、注意を喚起しています。

ルーラ元大統領の出国禁止

 地元メディアによると、24日に贈収賄容疑で1審に続いて2審でも有罪判決を受けたルーラ元大統領に25日、連邦裁判所はパスポートの没収を命じ、26日同氏の弁護士がサンパウロ連邦警察に提出しました。これにより同氏は出国できなくなりました。ルーラ氏は26日、国連食糧農業機関の会合に出席のためエチオピアへ出発予定でしたが、これは中止されました。

 ルーラ氏は汚職による裁判の他、大統領を退いた2013年から2015年の間に、空軍戦闘機の購入に関して影響力を行使したとして起訴され、裁判が行われています。検察は裁判所に、ルーラ氏の逃亡を防ぐためにパスポートの没収を要請していたもので、それが認められたものです。

 ただ今回のパスポートの没収は暫定的なもので、今後変更の可能性もあるとしています。

ルーラ元大統領、2審も有罪判決


 各メディアによると、1審で収賄資金洗浄で有罪だったルーラ元大統領(72)の2審の判決公判が24日、リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市の第4地域裁判所で開かれ、1審と同じく有罪判決が言い渡されました。刑期は1審の禁固9年6月から重くなり禁固12年1月になりました。1審判決は昨年7月、クリチバ第13連邦裁判所で言い渡され、ルーラ氏側が事実誤認として控訴していました。

 2審判決も1審同様、不動産の形でルーラ氏に向けられた賄賂の一部であり、収賄額は220万レアル相当と判断しています。ルーラ氏側は、問題の不動産を所有したことはないと主張していましたが、判決では不動産の公式な移転がなかったとしても、ルーラ氏のために取っておかれたものだと指摘、ルーラ氏への賄賂と断定しました。賄賂はペトロブラス汚職に絡んで行われたものとしています。

黄熱感染で動物園、植物園を閉鎖

 地元メディアによると、サンパウロ州政府は、サンパウロ市南部の動物園公園で死んだホエザルが黄熱ウィルスに感染していたことで、予防措置として同公園(動物園とサファリパーク)、植物園、サンパウロ大学の科学技術公園を含む州立イピランガ水源公園を一時的に閉鎖しました。

 動物園公園は、「感染が確認されたホエザルは10日に同公園の技術者が発見した。22日になり、感染が確認された」と説明しました。

 サンパウロ市では25日から市内16地区で黄熱ワクチン接種を開始予定です。

ルーラ元大統領の控訴審判決に向け厳戒態勢

 地元メディアによると、ルーラ元大統領が建設会社から不正な利益を得たとして1審で有罪判決を受けた控訴審が24日、リオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市の連邦第4地域裁判所で判決が言い渡されます。同州治安当局は、控訴裁判前日の23日から裁判所周辺の交通制限するなどの対策をとり警戒しています。

 控訴審は昨年7月、第1審判決で有罪が言い渡されたのを受け、ルーラ氏側は三層型居室の所有者であったことはないと訴えの内容を否定、控訴していました。

支持率は衰えず

 ルーラ氏は今年の大統領選挙の立候補予定者の中で、世論調査では支持率が最も高くなっています。控訴審は24日午前に行われる予定。裁判当日を前に、ポルト・アレグレ市には国内各地からルーラ氏支持派と反対派が集合し始め、不穏な空気が醸成されつつあります。同州公共保安局は、裁判所周辺地域への「陸海空」全てのルートでのアクセスを制限しています。

 上空は航空機によって監視され、裁判所近くのグアイーバ湖畔には治安部隊が出動します。判事が裁判所へ行くための陸路による道路が危険、あるいは妨害された場合に備え、航空機の準備もされています。連邦検察庁財務省など、裁判所近隣に位置する公的機関は、アクセス規制に伴い就業時間が変更されました。