中南米の最新情報

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サンパウロ新聞記者が強盗被害

 サンパウロ市リベルダーデ区の旅行代理店の両替所で換金した日本人が、出店後に追跡されて襲われる事件が頻発していますが、その事情に精通しているはずの新聞記者までが強盗に遭うほど、サンパウロ市内は治安が悪化してきました。被害に遭ったサンパウロ新聞記者によると、3日午後、旅行代理店の両替所で両替、両替所の社員から「今、危ないですから注意して下さい」と助言されたものの「大丈夫ですよ、こんな貧乏人」と笑って答えたそうです。ところが襲われたもので、日本人とみれば見境なく襲うと見た方が良さそうです。

 襲われた場所は、サンパウロ新聞社前の路上で、犯人はバイクに乗った2人組。運転する前の男が記者を指さし、「エリ、エリ(彼、彼)」と後ろの男に指示。男はピストルをかざしなら記者に密着、パソコン、現金、スマホ、クレジットカードなど洗いざらい奪いました。

 奪われた現金はたいした額ではありませんでしたが、その他の重要なクレジットカード、パソコンなどが痛手だったと言います。以前には両替した日本人が70キロも離れた場所まで追跡され襲われたケースもあり、犯人たちは機動力を備えており、油断できません。記者も「両替所は犯人たちに見張られていると考えた方が良く、支払いはカードにするなどの自衛措置が必要」と語っています。

 これからブラジル旅行を考えている人は、この両替後襲撃にくれぐれも注意をして欲しいところです

押収コカインの85%を占めるグアルーリョス空港

 地元メディアによると、ブラジルへやって来る多くの旅行者にとって「空の玄関口」といえばサンパウロ州グアルーリョス空港ですが、実はこの空港、コカインにとってもブラジルでの「空の玄関口」になっていました。2016年の1年間に連邦警察が国内の空港で押収したコカインの85%がグアルーリョス空港で押収されていたのです。

 2016年には国内の17空港で合計1919キログラムのコカインが連邦警察によって押収されましたが、このうちの1648キログラムがグアルーリョス空港で摘発されています。同空港でのコカイン押収量は、15年は1304キログラムでしたが、16年は26.4%も増加しました。

 グアルーリョス空港では他の麻薬も押収量が増えました。マリフアナの押収量は15年の19キログラムから40キログラムへ倍増。メタンフェタミン、つまり覚せい剤(錠剤)の押収量は15年の2万581錠から37万5296錠へ爆発的な増加を見せています。

仏小売チェーン「フナック」が撤退

 地元メディアによると、パソコンや携帯電話などの電気製品のほか、書籍や音楽・映像ソフト(CD、DVD)を販売するフランスの小売チェーン「フナック」が28日、ブラジルから撤退すると発表しました。撤退するにあたり同社は、ブラジル事業を売却する意向です。
 フナックは1990年代の終わりにブラジルに進出し、現在はサンパウロ州内を中心に十数店舗を展開しています。以前から同社は、ブラジル市場で業績上げるのは難しいと語っていました。フナック全体の売り上げに占めるブラジル事業のシェアは2%に過ぎません。
 同社は1日にあらためて声明を発表し、ブラジルにおける事業の継続と強化のためにローカルパートナーを探しており、これがうまくいかない場合には撤退すると28日発表を修正しました。

イタウ・ウニバンコ 国内最大の銀行に

 地元メディアによると、イタウ・ウニバンコ銀行は2016年末の総資産額でブラジル銀行を上回り、ブラジルで最大の銀行になりました。ブラジル銀行の16年末時点での総資産は1年前の1兆4480億レアルから3.2%減の1兆4010億レアル(約49兆350億円)、イタウ・ウニバンコは15年末時点の1兆3990億レアルを1.9%上回る1兆4260億レアル(約49兆9100億円)でした。
 16年の純利益は、ブラジル銀行が前年比44.2%減の80億3400万レアル、イタウ・ウニバンコは同7%減の216億レアルで、16年12月時点の店舗数はブラジル銀行が5440店、イタウ・ウニバンコが3464店でした。ブラジル銀行は昨年11月、17年中に402店舗を閉鎖し379店舗を出張所に格下げするとの計画を発表しています。

JRパス禁止反対署名 粘り強く働きかけ

 ブラジル日本都道府県人会連合会(山田康夫会長)の2月度代表者会議が23日午後、サンパウロ市東洋街の文協ビルで行われ、在外居住日本人の使用禁止が3月末に迫るJR.ジャパンレールパスの使用禁止中止の訴えを粘り強く働きかけていくを決めました。

 山田会長は「インターネット上で素早く署名を集めるため、Change.orgでの署名活動協力が呼びかけられた。嘆願書を集める際に郵送などで時間がかかり、3月末が迫っているため協力する旨の返事をした」と述べ、会議で了承されました。出席者らから「インターネットのことはよく分からない」という声もあり、引き続き嘆願書の収集も行うことにしました。

強盗事件で軍警官がウソの報告=サンパウロ=

 サンパウロ市内南部のファベーラ内で27日未明に何者かが軍警察のパトカー1台を盗み、軍警に追われた末に現場から約80キロメートル離れた地点で、道路封鎖のために軍警が路上に置いたトラックに激突し犯人1人が死亡するという事件がありました。この事件について、盗まれたパトカーに乗務していた軍警官2人がウソの報告をしていたことが捜査当局の調べで分かりました。この2人はすでにパトロール任務から外され、これから虚偽の報告を行った罪に問われることになります。

 各メディアによると、この2人の軍警官は当初、「ファベーラ付近のパトロール中にライフルで武装した4人組の男にパトカーを奪われ、他の軍警官らによる追跡の結果、犯人4人のうち1人が死亡、3人は逃走した」と報告していました。しかし、これはすべてウソで、軍警官2人はファベーラの近くにパトカーを停車させドアロックをせずにパトカーから離れ、その隙にパトカーが盗まれたものでした。盗んだ犯人は4人組の武装した男ではなく、拳銃すら所持していない男1人に過ぎませんでした。

 パトカーを盗んだ後、犯人は他のパトカーに追われながらバンデイランテス街道を逃走、料金所付近で道路を封鎖していたトラックに衝突、その場で死亡しました。犯人は逃走中に警察無線で、「警察官になるのが子供の頃の夢だった、今はその夢の中にいる」などと話していました。

日系人出場者や日本人観光客の姿も=サンパウロ=

 24日、サンパウロ市でも開幕したカーニバルには22のエスコーラ(サンバチーム)が出場し、サンバ会場にやって来た観客を熱狂の渦に巻き込みました。ここで上位に入賞した7組は3日のチャンピオン大会で再びパレードを披露します。
 サンパウロ市内では路上でのカーニバル「ブロコ」も18日から始まり、若者を中心に多くの人が楽しんでいます。こちらはカーニバル終了後もしばらくは続く予定です。初日の24日は、夕方にすさまじいスコールがやって来ましたが、カーニバル開始時刻にはすっかり雨は上がったものの、例年よりも肌寒いカーニバルになりました。

 サンバ会場で5番目に登場したのはエスコーラ「ガビオンイス・デ・フィエル」には、日系の有名芸能人サブリナ・サトウもパレードに参加し愛嬌を振りまき、観客から盛んに声援が飛んでいました。このほかカーニバルには駐在員の日本人やその家族、日系人も多く出場。非日系人にも負けないパフォーマンスを披露していました。

日本人旅行者も見物

 観客席の中には日本からの旅行者の姿もみられました。カーニバル2日目の25日夕にブラジルに着いたばかりだという堀中進さん(43、栃木)は、駐在員の友人である堀本尚信さん(41、長崎)とカーニバル会場を訪れました。堀中さんはもちろん、堀本さんもカーニバルを観るのは初めてで、「パレードに加え、盛り上がっている他の観客を見るのも楽しい。音楽も良いし、めっちゃ楽しんでます」と笑顔で語ってくれました。

壁絵の消去、審議会の許可必要ない

サンパウロ州控訴裁判所は23日、サンパウロ市歴史的・文化的・環境的財産保存審議会の許可なしで市当局が市内の建造物などに描かれた落書きや壁絵を消去することを差し止め、これに従わない場合は1日につき50万レアルの制裁金を科すとした今月13日の一審の決定を覆しました。
 地元メディアによると、アルベス控訴裁判事は、市当局の独断による壁絵などの消去を差し止める市民からの要求は一般的なものであり、市役所が公共の場所や建物の維持管理を行うのを妨げていると述べ、さらに「審議会に委ねられる壁絵などの技術的評価は財物の保護の観点から行われるものだとし、市当局が落書きや壁絵を消去するにあたって同審議会の許可を得る必要はない」と結論づけています。
 無許可での消去を差し止めた一審の決定後、サンパウロ市役所は控訴し、「壁絵は保護されるべき文化的財産ではない。壁絵の消去は同審議会もしくは技術サポート機関の事前承認を必要としない」と主張していました。

サンパウロのカーニバル 年々拡大

 ブラジルはカーニバル・シーズンを迎え,サンパウロでも24日夜からサンボードロモ(サンバ会場)でカーニバル・パレードが始まりました。市内各所では週末からカーニバル休日にかけブロッコと呼ばれる小・中規模グループ154チームの街頭パレードも行われています。カーニバルは28日まで続きます。各メディアによれば、サンパウロではブロッコの街頭カーニバルは拡大を続けており、今年は昨年より28%多い391チームが参加しています。
 18日に始まったサンパウロ市の街頭カーニバルでは、最初の週末だけで175チームが市内各所の街路でパレードを行いました。2009年創設の「バイショ・アウグスタ」は、35万人もの人を集めました。
 サンパウロの街頭カーニバルは、フェルナンド・ハダッド市長の時代に規模が拡大し始めました。13年から市役所がインフラ設備の提供など支援を始め、予算も年々投入しています。11年、12年に市内を行進したブロッコは30程度でしたが、今では390を越えるまでになりました。
 スポンサーの協賛も増え、昨年は1050万レアルの予算の7割を市が引き受けていましたが、今年はスポンサーだけで1500万レアルが集まったといいます。
 市文化局では、今年のカーニバルの人出は昨年より100万人多い300万人に達すると見込んでいます。他市から観光で訪れる人も増え、ホテル産業協会によれば、短期賃貸の物件を探す人の数は昨年のカーニバル時期から187%増加したとしています。

日本人が換金後に強盗被害

 在サンパウロ総領事館によると、16日午後、サンパウロ市東洋街の旅行代理店で現金を両替した日本人が、同市内から約70キロ離れた場所で強盗に襲われ、現金1万4000レアル(約50万円)、旅券、パソコン、クレジットカードを奪われました。

 被害に遭った日本人は、同行者とともに東洋街の旅行代理店で換金後、目的地までタクシーに乗りました。強盗の追尾を恐れサンパウロ市内を迂回し、高速道路を利用するなどして同市内から約70キロ離れた場所の駐車場に入りました。そのとき車両とバイクが接近してきて、その車に乗っていた強盗に銃を突き付けられ、所持品を奪われたものです。日本人に身体的な被害はありませんでした。
 このところ両替後の日本人が強盗に襲われる事件が頻発しており、同領事館では注意を呼びかけています。