中南米の最新情報

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サンパウロ州内でも黄熱病で死亡

 ミナス・ジェライス州内で黄熱病の症状を持つ30人が死亡、同州政府は公衆衛生上の非常事態を宣言しましたが、黄熱病の感染はサンパウロ州内にもやって来たようです。在サンパウロ日本総領事館が国内メディアの報道として23日、サンパウロ州内で4名が黄熱病に感染し、死亡したと紹介、在住日系人・日本人に注意を呼びかけています。
 同領事館がサンパウロ州保健局免疫課に事実関係について確認したところ、4名のうち1名は、アララクアラ地方のアメリコ・ブラジリエンセ市(サンパウロ市より北西260Km)に居住しており、黄熱病が流行しているミナス・ジェライス州へは渡航していませんでした。
 現地のメディアは,大都市サンパウロ市内での感染については否定的な見方で、市内に黄熱病ウイルスはないとしています。サンパウロ州内で黄熱病により死亡したのはアメリコ・ブラジリエンセ市在住者をのぞき、いずれもミナス・ジェライス州を旅行、感染したとしています。現在、黄熱病は農村地での感染ですが、今後感染者が都市部へ移動することも考えられ、感染者を刺した蚊が媒体して、都市部での感染が始まっていく危険も否定できないとしています。
 ミナス・ジェライス州へ旅行予定があり、心配なら予防接種(予防接種を受けてから10年以上経過している人)を受けた方が良さそうです。これまでに2回接種していれば免疫は生涯続くと指摘しています。

日本人の強盗被害が多発

 リオやサンパウロで滞在中の日本人が相次いで強盗に襲われています。在サンパウロ日本国総領事館の発表によると、10日、サンパウロ市内で日本人夫妻が拳銃を持った強盗に襲われ、現金など被害総額14万円を奪われました。
 夫婦はサンパウロ市東洋街にある旅行代理店で両替した後、地下鉄に乗りアナ・ローザ駅で降り徒歩で自宅へ向かう途中の路上でバイクに乗った2人組に襲われました。2人組は銃を所持し、夫を突き飛ばし妻からハンドバックを強奪、逃走しました。
 5日には、同じ東洋街の旅行代理店で現金を両替した日本人が、地下鉄でサンタ・クルス駅まで行き、同駅からタクシーに乗り自宅付近で下車したところ、後方から来たバイクの2人組に襲われ所持品を奪われています。盗まれたのはは身分証明書、小切手、旅券、現金300レアルと2000ドル、腕時計でした。
 10日にはサンパウロ市内のインターコンチネンタルホテル敷地内でブラジルに到着したばかりの日本人がが強盗に遭いました。被害者はグアルーリョス空港到着後、ホテル手配の車両で東洋街の旅行代理店で現金を両替。その後、同車両でホテルに到着したところ、後方からバイク2台がホテル敷地内に侵入し、犯人に銃を突き付けられ、所持品を奪われています。
 本欄でも報道したようにリオでも日本人が相次いで強盗被害に遭っており、ブラジル旅行の日本人は注意を怠らないようにと、リオ、サンパウロ両日本総領事館は注意を促しています。
 サンパウロ総領事館は、常に警戒心を維持し、時折周囲に視線を向けるなど、警戒していることを態度に表す、荷物は手元から離さず、貴重品は極力持ち歩かない、強盗に遭遇した場合は絶対に抵抗せず、犯人の要求に従う、など注意を促しています。

刑務所内の捜索に政府が軍隊の派遣許可

 年初からアマゾナス、ロライマ、リオ・グランデ・ド・ノルテ各州の州立刑務所で発生した暴動で計130人以上の被収容者が死亡しました。刑務所管理システムが問題視される中、連邦政府は17日、軍隊が各施設における保安活動を行うことを許可する決定をしました。同決定は18日から発効したと、国内各メディアが伝えています。
 大統領令は、陸・海・空3軍人の刑務所施設での活動を「武器および移動通信機器、薬物、その他の不正で禁止された物品の探知」に限られており、期間は最大で12カ月となっています。軍隊の派遣は各州知事の要請を受けて行われます。
 この決定は17日、テメル大統領が連邦機関の代表や閣僚と刑務所内での暴力や組織犯罪撲滅への対策を話し合った会合の後に連邦政府広報担当から発表されました。
 ラウル・ジュングマン国防相は18日、政府は当面1000人の軍人で約30チームの編成を予定していると語り、当初予算は1000万レアルで、8〜10日の間に活動可能な状態になるとしています。

リオで邦人女性2人が強盗被害

 在リオ日本国総領事館の安全情報によると、4日午後、リオ市内イパネマ地区でナイフ使用の強盗事件が発生し、邦人女性観光客2人が被害に遭いました。
 邦人女性2人が地下鉄ジェネラル・オーゾリオ駅を出て市立学校前にさしかかったところ、自転車に乗った3人組の男に囲まれ、1人がナイフで脅し所持品を渡すよう要求しました。2人がスマートフォン、カメラなどを渡すと犯人は立ち去り、邦人2人にケガはありませんでした。

履物の輸出増加

 ブラジル履物工業会が発表したところによると、2016年に輸出した履物の数量は前年度より1.7%多い1億2617万足で、額は4%増の9億9900万ドルでした。
 2016年にブラジル製履物が最も輸出された先は米国で、数量は前年比15.4%増の1324万足、額は2億2136万ドルに上っています。次いでアルゼンチンへが948万足(前年比65.4%増)、1億1160万ドル、フランスが900万足(同2.1%増)、5600万ドル、パラグアイが1453万足(同4.7%増)、4743万ドルになっています。
 逆に、ブラジルへの外国製履物の2016年の輸入量は、対前年比で数量で31.6%減、額は28.5%減でした。

ミナス州政府が黄熱病で非常事態を宣言

 国内メディアによると、ミナス・ジェライス州政府が13日、州内の黄熱病発生地域を対象に公衆衛生上の非常事態を宣言、官報で告知しました。非常事態宣言は180日間続きます。
 同州内では今年に入ってからこれまで、黄熱病の症状を持つ30人が死亡しています。非常事態宣言の対象はいずれも同州東部のコロネル・ファブリシアノ、ゴベルナドール・バラダレス、マニュミリン、テオーフィロ・オトニ各保健管区で、これらの管区内には合計152の自治体があります。
 黄熱病は急性熱性感染症で、早急に手当てされないと約1週間で死に至る可能性もあります。厚生省によると、黄熱病のウイルスの主な宿主はサルで、ウイルスは蚊によって媒介されます。同州保健局は、「農村地帯ではハエマゴグスという蚊が、また都市部ではネッタイシマカという蚊が媒介する」と注意を喚起しています。同局は、都市部での感染報告は受けていないそうです。

軍警官が元交際相手,日系女性を殺害

 地元での報道によると、サンパウロ州軍警察は12日、サンパウロ市内東部イタケラ地区で11日夜に元交際相手の女性、ジャナイナ・ミチコさん(32)を殺害した軍警官を逮捕したと発表しました。
 ミチコさんと軍警官の交際は約1年半続いていました。昨年クリスマス前、暴力を振るわれたミチコさんが軍警官との交際を終えようとしましたが、男はミチコさんとの別れを受け入れませんでした。11日になってミチコさんは、イタケラの自宅玄関前で待っていた男から脅迫を受け、暴行された後に撃ち殺されたものです。男はミチコさんに数回発砲後逃走しましたが、間もなく逮捕されました。

ソサイチ関東リーグが誕生 日系人チームも参加

 昨年12月、ソサイチ(7人制サッカー)の関東リーグが発足し、日系ブラジル人の集住地・群馬県大泉町から在日日系ブラジル人が主力の「ニュー・セントラル大泉」(本拠地・群馬県大泉町)が参加しました。同チームはリーグ発足に合わせ昨年10月に設立され、発起人で選手兼チーム・マネジャ−の菊田博之さんは「日本ではまだ認知度の低いソサイチだが、ブラジル人はルールや戦術の理解があり、リーグでも活躍ができるのではないか」とチームの活躍に期待を寄せています。
 菊田さんはブラジルでプロ経験(1998年から3年間、サンパウロ州サンタクルゼンセ)を持ち、日・ブラジル両国のサッカー事情に精通しています。「日系ブラジル人は日本社会において活躍の場が限られているが、ソサイチを通じて地元との交流促進になったり、3世、4世の日系子弟たちに夢を与える存在になれるのでは」という夢を持っています。
 同チームの登録選手は約20人。菊田さんの呼びかけで集まった40人の候補者から1カ月かけて選抜しました。同チームのサンタナ監督は、ブラジル人選手の特徴を「テクニック」と捉える一方、日本人選手は運動能力が高いと評価しました。
 チーム主力選手であるオオクラ・ブルーノ選手は2歳から日本で育ち、高校へもサッカー進学をした実力者。プロへの道は進めませんでしたが、「若い選手をリードできるプレーをしていきたいし、こうしてサッカーと関わることができて嬉しい」と喜んでいました。
 1月7日に行われた開幕戦で同チームは、八王子東SCを4―0で下し、幸先の良い白星でスタートを切りました。

ジャパンレールパス問題 世界各国で反対署名運動展開

 JRグループの「ジャパンレールパス海外在住邦人使用中止」問題で、世界各国の在外邦人たちが反対署名運動を始めました。ブラジルでは日系団体を中心に署名活動が始めていますが、オーストラリアのブリスベン市在住の藤巻ギャレット由紀さんら有志による署名活動も始まり、米国のニューヨークや英国のロンドンなど、在外邦人数の多い都市を中心に署名活動が全世界に広がっています。
 藤巻さんは、昨年11月半ばにJRグループが永住権を持ち海外に在住する日本国籍者の「ジャパンレールパス」使用中止を発表後、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)のフェイスブック上に「ジャパン・レール・パスを考える在外邦人の会」(https://www.facebook.com/keepususejrrailpass/)を立ち上げ、中止を求める人へ署名を訴えてきました。インターネット上での反対署名は1月6日現在で63カ国約5800人が寄せており、フェイスブックでの「いいね」も1060件以上に達しています。
 藤巻さんは「在外邦人が一丸となって今回の件に物申し、動かせたらと思っています」と話しています。

橋幸夫がサンパウロでチャリティー公演

 WILL株式会社主催、企画・構成を藤瀬圭子事務所とサンパウロ新聞が担当する「橋幸夫チャリティーコンサートinサンパウロ」が3月5日、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会大講堂で行われます。
 公演は、ブラジルでの事業展開調査ためサンパウロ入りしたWILL社の中井良昇社長が、日系社会の温かいもてなしに感激し、感謝の気持ちを伝えるために企画したものです。橋幸夫事務所に公演を依頼したところ快諾を得られ実現しました。
 橋は1960年に「潮来笠」でデビュー、日本レコード大賞新人賞を受賞。その後も多くのヒットを飛ばし、股旅ものは日系社会でも高い人気です。現在は歌手活動に留まらず、映画やテレビでも活躍。2015年には芸能活動55周年を迎え、まだまだ元気に活動を続けています。
 橋は、ブラジル出身の日系人歌手マルシアが初出場した1990年の紅白歌合戦で対戦相手として出場、日系社会とも浅からぬ縁があります。同公演の収益は日系福祉団体に寄付されます。寄贈先はサンパウロ援護協会、救済会憩の園、こどものその、希望の家の4団体の予定です。
 4団体を代表して来社した援協の与儀会長は「皆さんがこうして協力を申し出てくださって非常に嬉しい。現在のブラジル経済の状況は良くなく、施設運営をしていくのは大変。厳しい経済状況の中でも来場者の方が協力券を買って、我々を助けようと思ってくれるその気持ちが一番ありがたい」と感謝の気持ちを述べていました。