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肥満の解消でガンの発症を抑制

 アジェンシア・ブラジルによると、サンパウロ大学医学部予防医学部が24日、米国ハーバード大学と実施した疫学調査で体重過多や肥満を改善すればガンの発症を避けられる可能性があると発表しました。肥満改善で年間に1万5000件(全体の3.8%)のガン発症を予防出来るとしています。

 調査では、2025年には体重過多や肥満が原因のガン発症は2万9000件以上になると推測しており、これは全ての新規ガン症例の4.6%を占めます。同大学医学部のレアンドロ・レゼンデ氏は、「ブラジルでは超加工食品の登場で体重過多や肥満が増加しており、これによるガンの増加が懸念される。ガン全体を見ても、人口増加や高齢化により増加すると思われる」と述べています。

 レゼンデ氏は、「ガンの疫学」誌に掲載された論文「ブラジルにおける高体格指数に起因するガンの負担増加」の著者の一人。この調査は、サンパウロ州調査支援基金の助成で、ハーバード大学で実施されました。同氏は、「この調査では、食品が栄養学的に変化しつつある事を示している。超加工食品とはカロリーが高く、砂糖、塩分、脂肪が多く、安価な食品を指している」と説明しています。

 世界保健機関は、体重過多と肥満は乳(閉経後)、結腸、直腸、子宮、胆嚢、腎臓、肝臓、多発性骨髄腫、食道、卵巣、膵臓前立腺、胃、甲状腺など14種類のガンのリスク増加と関係があるとしています。ブラジルでは、これら14種類のガンは年間の新規ガン発症の半数を占めているとされます。

 同調査で利用されたブラジル地理統計院のデータによれば、ブラジル国民に占める体重過多または肥満の割合は、2002年の40%から13年には60%に増加しています。