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リオ五輪から1年 施設の再利用進まず

 エスタード紙によると、五輪終了から1年経過したリオデジャネイロ市の五輪競技場や市内西部の五輪公園、自転車競技が行われたラジカル公園などの各スポーツ複合施設の利用や維持管理が、連邦政府やリオ市にとって大きな負担になっています。特に深刻なのはラジカル公園で、昨年12月以来閉鎖されたまま、利用される気配がありません。

 同公園は、市内の貧困市民のレジャーエリア、あるいはカヌースラロームやBMX自転車競技各選手のトレーニング場所として利用されるはずでした。現在、同公園維持のため毎月75万レアルをリオ市が出費しているにもかかわらず、五輪向けに建設された人工湖の水は濁り淀んでいます。リオ市スポーツ局は「同公園は50万平方メートルの広さがあり、3000万リットルの水が流れる急流のある複合施設。維持が困難で経費がかかる」と説明しています。同市の前市長は、「この公園が閉鎖されている理由がわからない。ここは2015年12月にオープン以来、自分が退くまで十分に機能していた」と首を傾げています。

 ラジカル公園に隣接する軍管轄地域のデオドロ公園の五輪施設は機能していますが、改修工事が必要で、その工事を数カ月間も待っています。この公園は射撃場、馬術フィールドホッケー近代五種用水泳センターとして五輪向けに改修され、青少年アリーナも増設されました。しかし、五輪終了後、通常使用向けに改修工事が必要ですが、数カ月経っても行なわれていません。改修工事担当のリオ2016五輪委員会は「改修を行うための資金160万レアルがない」としています。

 五輪の中心となった五輪公園は現在、週末に一般開放されています。カリオカ競技場1および2、自転車競技場、テニスセンターはスポーツ省の管理ですが、利用者が少なく、維持に年間4500万レアル出費しています。リオ市の担当施設はほとんど利用されていません。ハンドボール競技場は解体され学校になる予定ですが、資金不足のため工事は全く進んでいません。

 2020年には東京五輪が開催され、それに向け多額の税金を投入、施設を整備しています。税金を投入する以上はリオの二の舞にならぬよう、五輪後のことも考えて整備して貰いたいものです。