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リオ五輪会場建設で不正

損害額は8000万レアルを超える

 地元メディアによると、連邦警察と連邦検察庁は7日、リオ・デ・ジャネイロ市西部デオドロ地区の複合スポーツ施設の建設工事現場で、巨額な公金が横領された疑いで捜査を行いました。捜査されたのは、デオドロ複合企業連合の運営本部と同事案に関係していると見られる企業の本社、捜査対象者の自宅などです。デオドロ公園は、8月開幕する2016年リオ五輪の競技が行われる地区で、建設工事を巡り最大で8500万レアル(約27億円)が横領された疑いがもたれています。
 横領捜査は7日朝から始まりました。当局によると、工事請負業者が「架空」の企業と工事現場から出る建設廃棄物の撤去作業の契約をしたように見せかけ、支払いを受けていたとしています。透明性・監督・管理省(旧国家総監督庁=CGU)は、「ケイロスガルボン社とOAS社で構成されたデオドロ複合企業連合が、廃棄物量を水増し請求していた事を確認した。同企業連合は、許可された場所への廃棄物処理費に関連した費用も支払っていなかった」と報告しています。デオドロ公園の工事は、CGUと他の機関によって昨年から調査が行われていました。今年3月には、連邦裁判所が連邦検察庁の要請で、請負会社に支払われる予定だった1億2850万レアルを「地ならし作業で詐欺の疑いがある」として凍結することを決定していました。
 このデオドロ公園建設工事は、6億2650万レアルの予算で行われており、横領額は同工事予算額のほぼ14%に相当します。
 デオドロ公園エリアでは、スラロームカヌー競技、BMX自転車競技、マウンテンバイク、フィールドホッケー、射撃その他の競技が行われる予定です。工事資金は連邦政府から拠出されており、建設の契約はリオ市役所が行っていました。同市役所は、捜査対象になっている業務への支払いはしていないとし、デオドロ複合連合企業への送金を中止しています。同捜査に対し同企業連合は、「捜査に協力しており、工事で行われた業務において水増し請求はなかった」との声明を出しました。