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警官との撃ち合い無かった 自動車ドロが証言変える

 地元メディアによると、サンパウロ州軍警察に頭を撃たれて死亡した10歳の少年と自動車を盗み、警察に身柄を拘束されていた11歳の少年が当初の証言を翻しました。同州人権審議会メンバーのアリエル・デ・カストロ・アルベス弁護士は3日、10歳の少年と盗んだ車の中にいた11歳の少年は警察で、10歳の少年が警官に向かって発砲、撃ち合いの末に射殺されたと話していましたが、弁護士には撃ち合いはなかったと証言を変えました。
 11歳の少年は同弁護士に、警察に追跡されている最中に10歳の少年が2度発砲したとの証言は変えていませんが、車を衝突させた後にも撃ったという証言は翻し、警官と撃ち合いはしていないと証言しました。アルベス弁護士は「(逃走の末に少年らが)車をぶつけた後で警官との撃ち合いはなかった。警官が一方的に発砲し、弾が少年の頭に命中したということだ」としています。
 同弁護士はさらに、10歳の少年が死亡した後、車内に残っていた11歳の少年は警官によって車外に連れ出され、「顔に平手打ちをされ、脅迫された」と話しているとも明かしました。
 死亡した10歳の少年の遺体は4日埋葬されました。少年の母親(29)はメディアの取材に「私は息子を助けなければならない。彼は10歳の子供、銃を撃つことなんて知らなかった、38口径の銃だ。警察が仕組んだんです。私は彼らが(銃を)が仕組んだと確信している。銃は警官のものです。私は指紋の照合を望みます」と話しました。
 同事件にかかわった軍警官2人は、事件が精査されるまで外勤から外されました。