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犯罪組織PCC の43人一網打尽

 リオグランデ・ド・スール州ポルト・アレグレ市の2銀行、アラゴアス州マセイオの1銀行から現金を盗み出そうと2か所で地下トンネルを掘っていた犯罪組織PCC(都第一コマンド)一味が、ブラデスコ銀行ボツカツ支店襲撃を狙っていた同組織グループとともに、警察によって一網打尽、合計43人が逮捕されました。レンボ・サンパウロ州知事は、同犯罪組織の掘っているトンネル掘削作業方式がラ米諸国での犯行と一致するところから、PCCはブラジルだけでなく国際的大型組織になってきたと憂慮しています。
 連邦警察は事前に一味の動きをキャッチ、ひそかに「もぐら補足作戦」を進めていました。PCC一味は昨年8月にトンネルを掘り、セアラ州フオルタレーザ市の中央銀行支店金庫から1億6470万レアルを盗み出したさい、うっかり携帯電話のカードを現場に落とし、それが連邦警察署員に拾われ足がついたものです。当局では苦心して他の携帯電話12個とつながっていることをつきとめ、PCC一味の行動を逐一探知のうえ、期が熟するのを待って逮捕に動きました。
 先日も重要人物が逮捕され、また今回は大勢逮捕されましたが、PCCは一向に組織力が落ちた気配がありません。それだけ強固な組織ということが伺え、取り締まり当局も苦労しそうです。この逮捕劇のすぐ後、ポルト・アレグレ市の第16警察署がPCCと思われるものから銃撃を受けました。このことをみても、警察と同じくらいの組織力を持っている可能性も否定できません。