ブラジル・ラジオ・テレビ放送協会が公表した調査結果で、ブラジルの報道機関で働く人は世界で10番目に、ラテンアメリカ地域で2番目に危険に晒されていることが分かりました。2016年、ブラジル国内でレポーターなどメディア関係者の261人が暴行被害を受けています。
地元メディアによると、ブラジル国内における報道関係者に対する暴行などの事例は15年から16年にかけて60%も増加、16年には2人のジャーナリストが職務中に命を落としています。
ジャーナリスト保護委員会(本部=米ニューヨーク)と国際ジャーナリスト連盟(本部=ベルギー・ブリュッセル)は、真実を追う現場におけるメディア関係者らへの脅迫が増加したとしています。ブラジル・ラジオ・テレビ放送協会のカマルゴ会長は、街頭デモの現場における治安部隊による対応は暴力の一つに当てはまるとして、「協会はデモや公共イベントにおける報道関係者に対する治安部隊の対応訓練を行い、対処方法を変えて欲しい」と政府に提案するとしています。
報道関係者にとって危険な国ランキング(16年版)の上位10カ国は、1位から順にイラク、シリア、アフガニスタン、メキシコ、イエメン、グアテマラ、インド、パキスタン、トルコ、ブラジル。紛争の当事国やテロ事件がたびたび発生する国の名前が並ぶ中に、ブラジルも顔を出しています。