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サンパウロ州で強奪された銃器、リオで発見

 地元紙の報道によると、リオデジャネイロ州警察は19日までに、8カ月前にサンパウロ州リベイロン・ピーレス市の戦術訓練センターから盗まれた銃器が、リオデジャネイロ市の犯罪組織に流出している疑いがあると発表しました。銃器強奪事件は今年3月に発生、10〜15人の強盗グループが塀を乗り越えて戦術訓練センターに侵入、警備員を拘束し、自動小銃22丁と拳銃89丁を盗んで逃走していました。現場からは、犯人の遺留品とされる拳銃3丁やマスクなどが発見されましたが、犯人特定には至りませんでした。
 先月になり、リオデジャネイロ州ヅッケ・デ・カシアス市で麻薬犯罪組織コマンド・ベルメーリョと軍警察の撃ち合いで死亡した組織員が、戦術訓練センターで盗まれた銃器を所持していました。軍警では、盗まれた銃器は全てコマンド・ベルメーリョ組織関係者に流出したと考え捜査していましたが、同時期にコマンド・ベルメーリョの敵対組織から押収した銃器にも戦術訓練センターから盗まれた銃器が見つかり、軍警は犯行グループは複数の犯罪組織に銃器を売却した可能性が高いと見て、捜査の網を広げています。
 リオデジャネイロ州警の武器・弾薬抑制課によると、自動小銃は闇マーケットで6万レアル(約300万円)、拳銃は1800レアル(約9万円)で売られています。2007年以降リオデジャネイロ州で押収された自動小銃は516丁、銃の流れ弾で一般市民99人が被害に遭い、4人が死亡しています。
 警察当局は、今回の発見を機に強奪事件解明に全力を挙げる方針ですが、犯人の特定は難しいとしています。当初犯行には、犯罪組織第一コマンドとコマンド・ベルメーリョのみが関与したと考えられていましたが、犯人らが警察官の拳銃を持っていたことや土地感と犯行の様子から警官の関与も疑っています。