中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

雇用者が5.7万人増加

 各メディアによると、労働省が発表した就労・失業者登録で10月の正規雇用者が5万7733人増加したことが判りました。離職した人は122万1769人で、就職した人は127万9502人でした。雇用者が増加はしましたが、17年10月の増加数(7万6599人)に比べ約1万9000人少なくなっています。

 これで今年に入ってからの就職者数は79万579人となり、今年10月末の正規雇用者数は17年10月末時点に比べて44万5000人多い3865万9000人になりました。

 10月に正規雇用者が増加した分野はサービス業(2万8759人増)、製造業(7048人増)、建設業(560人増)、商業(3万4133人増)、鉱業(377人増)、公共利用サービス業(268人増)の6分野でした。地方別では、ブラジル南部が2万5999人増、南東部が1万5988人増、北東部が1万3426人増、北部が2379人増と4地方で増加し、中西部は59人減でした。

14州で犯罪組織6団体を一斉捜査

 国内メディアによると、国内14州と連邦直轄区で4日、国家犯罪組織撲滅グループが犯罪組織の一斉捜査を行いました。犯罪組織撲滅グループは組織犯罪撲滅を目的に各州検察局組織犯罪対策特別行動グループで構成されています。同日の捜査は、サンパウロ州を拠点とするPCC(州都第一コマンド)、リオ・デ・ジャネイロを拠点とするコマンド・ベルメーリョなど6つの犯罪組織を対象に行われました。この捜査で何人が拘束されたのかは発表されていません。

 サンパウロ州では、PCCのメンバーと疑われる人物のほか、つながりがあると思われる不動産、商業施設も捜査対象になりました。同州検察局は、「組織幹部、メンバーの拘束と、商業活動を利用した資金洗浄、市・州の公務員汚職の撲滅を目的に行ったもので、主に麻薬密売で資金を得ているPCCの収入源を潰すのが目的」と説明しています。

 トカンチンス州では勾留者収容施設で、武器、麻薬、爆発物や移動通信機器の押収の探索活動も行われました。連邦直轄区とゴイアス州では、携帯電話やPCCと関連するとみられるメモや記録が押収されています。

BMW がブラジルに37億円投資

 地元メディアによると、ドイツの自動車メーカーBMWのブラジル法人は、ブラジル南部サンタ・カタリーナ州の同社工場で新世代の「3シリーズセダン」とクロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)「X4」を生産するため1億2500万レアル(約37億円)を投資します。

 BMWは、2019年下半期(7~12月)まで新世代の「3シリーズセダン」をドイツから輸入し販売しますが、以降はブラジル国内で生産します。「X4」はブラジル工場で今年12月中にも生産を始めます。

 サンタ・カタリーナ州の同社工場は2014年に操業を開始、年間3万台の生産能力があります。しかし、18年の生産台数は1万台程度にとどまる見通しです。米国から大量発注を受けた17年でも、年間の生産台数は生産能力の半分の1万5000台に止まりました。同社ブラジル法人は「ブラジルへの新たな投資は大きな前進だ」としています。

GDP成長率は前期比0.8%増

 国内メディアによると、ブラジル地理統計院が30日、2018年第3四半期(7~9月)の国内総生産GDP)は対前年同期比1.3%増で、前期比は0.8%増だったと発表しました。0.8%増は、今年四半期の中では最大の伸びです。18年第1四半期(1~3月)と第2四半期(4~6月)の伸びは、いずれも前期比0.2%増でした。

 今期は今年最大の成長を記録しましたが、現在のGDPは12年上半期(1~6月)と同程度です。地理統計院は「GDPのピークだった14年第1四半期と比べ、現在はまだ、それよりも5%低い」としています。

 今期の各産業の伸びは、前期比で第一次産業が0.7%増、第二次産業が0.4%増、第三次産業が0.5%増でした。第二次産業のプラス成長は今年に入って初めてです。第三次産業の伸びは17年第2四半期以降で最大になりました。

マナウス・フリーゾーンの売上15%増

 マナウス・フリーゾーン監督庁発表としてメディアが報道したところでは、マナウス・フリーゾーン内工業地区で操業する企業1~9月の売上高は678億レアル(約2兆340億円)に上り、昨年同期比15.32%の増加でした。ドル・ベースだと188億ドル、昨年同期比1.24%増です。今年1~9月の輸出額を見ると、レアル・ベースでは昨年同期比で19.5%増、ドル・ベースでは同3.93%増になっています。

 各社のデータを基に同庁がまとめた売上高は、最も売れたのが電気電子分野で、全体の28.21%(191億レアル)を占めています。次いで情報機器分野の141億レアル(20.87%)、二輪車分野の95億9000万レアル(14.14%)、化学品分野の88億レアル(12.98%)と続きました。

 商品別の販売額は、液晶テレビ125億4000万レアル(35億6000万ドル)、自動二輪車74億8000万レアル(20億7000万ドル)、携帯電話機73億3000万レアル(20億3000万ドル)、エアコン21億7000万レアル(6億270万ドル)などとなっています。腕時計・懐中時計は8億2450万レアル(2億2810万ドル)、自転車・電動アシスト自転車は5億3550万レアル(1億6740万ドル)でした。

エイズによる死亡率が4年間で16%低下

 国内メディアの報道によると、保健省が27日に公表した疫学報告で、2017年のエイズ後天性免疫不全症候群)死亡者は人口10万人あたり4.8人で、同5.7人だった14年と比べ16.5%減少したことが判りました。エイズ・ウィルス感染の報告数も17年は10万人あたり18.3件で、12年の21.7件と比べ15.7%減少しています。

 保健省は低下の理由を、検査態勢の充実や診断から治療開始までの時間の短縮を挙げています。早期の診断は、エイズ・ウィルス感染者がエイズを発症しないための最善の策と指摘しています。報告書では、胎児への垂直感染のケースも減少しているとしており、乳児のエイズ・ウィルス検出率は07年の10万人あたり3.5件から17年は同2件へと43%も減少しています。新たなエイズ・ウィルス感染者は男性が73%で、15歳から39歳までで70%を占めています。

 ブラジルでは1980年から18年6月の間にエイズ・ウィルス感染者が年平均4万件の92万6742件と報告されています。発症報告数は13年以降減少傾向にあり、80年の4万3269件から17年は3万7791件に減少しました。保健省は、17年の時点でブラジルのエイズ・ウィルス感染者は86万6000人と推定しています。診断を受けた感染者(84%)の75%が治療を続け、治療中の92%がウィルス検出以下の状態に改善しています。

在外ブラジル人を外務省が支援

 アジェンシア・ブラジルの報道によると、50カ国で300万人以上と推定される在外ブラジル人の中には、人身取引や労働搾取、性別による暴力、精神的な健康問題などに直面しているケースが少なくなく、外国で危険な状況にあるブラジル人への支援を向上させることを目的に外務省は、領事支援の強化に乗り出す方針です。そのための会議も開催されています。

 会議は 国連薬物犯罪事務所、欧州連合と連携して行われており、学者、心理学者、領事館職員が参加しています。外務省在外ブラジル人領事局によれば、問題が起きているのはヨーロッパの9カ国、米国、カナダ、フランス領ギアナガイアナスリナム、日本、オーストラリア、レバノン各国です。

 南米での最も深刻なケースは、鉱物採掘に関連した人身取引や労働搾取、性別による暴力などです。同領事局は、「少なくとも3万人のブラジル人採掘人がおり、そこには売春を含むあらゆる種類のサービスと商業を提供するブラジル人コミュニティーが存在する」としています。110万人のブラジル人が居住する米国で領事部門に届けられる問題は、外国人と結婚したブラジル人女性を中心とした夫の家庭内暴力や労働搾取などです。違法滞在により、多くのブラジル人が雇用上の保証や法的な安全性もなく、労働搾取されているケースも多く見られます。
高齢者問題が浮上

 約18万人と推定される在日ブラジル人コミュニティーでは、高齢化が進み、高齢が原因の病気に見舞われれる人が多くなっています。中には病気で生活困難に陥った高齢者の世話を家族が放棄するケースも見られます。家族による高齢者への心理的・財政的な虐待といった現象も起きています。領事局によると、「日本では、薬物やアルコールの乱用を含む精神的な問題や女性に対する暴力、未成年者に対する虐待や扶養義務放棄の相談も増えている」としています。

マラニャン州の銀行が襲撃される

 国内メディアによると、北東部マラニャン州の州都サンルイスから240キロ離れたバカバル市で25日、重武装したグループにブラジル銀行の支店が襲撃されました。強盗グループは、同市の軍警察および文民警察の施設も襲撃し、警察との銃撃戦で犯行メンバー3人が死亡し、1人が拘束されました。銀行支店の被害額は不明です。

 襲撃されたのは25日夜、警察は、犯行グループは約50人と見ています。マラニャン州のヂーノ知事は、州外の人間による犯行と見ています。強盗グループは銀行支店に加え軍警察第15大隊、文民警察の施設も襲撃、警察車両に放火したほか、警察署入口にトラックを停めて車両の出動を妨害しました。

 警察発表では、強盗グループは約2時間で同市から逃走しました。その際、市外へ向かう橋に車を停めて火をつけ追跡を妨害、多数を人質にしていましたが、逃走中に次々に解放しました。

容器の「繰返し使用」開始=コカ・コーラ=

 国内メディアの6日付報道によると、米企業ザ・コカ・コーラ・カンパニーの子会社コカ・コーラ・ブラジルは「コカ・コーラ」「ファンタ」などのソフトドリンクの容器を回収し洗浄、中身を詰め直し繰り返し使用できるリターナブルペットボトルに変更しました。

 同ペットボトルに統一されたのは「Coca-Cola」「Coca-Cola sem Açucar」「Fanta Uva」「Fanta Laranja」「Fanta Guarana」「Sprite」「Guarana Jesus」の1.5リットルと2リットル各ボトルです。新しい容器で販売されているのは現在、ブラジル中西部とサンパウロ州ですが、11月中にはブラジル北東部、12月からはリオ州内でも販売されます。

 同社はリターナブルペットボトルへの切り替えに1億レアル(約30億円)を投資、2年以内にブラジル全土で同ボトルでの販売を始める予定です。

19年の新車は10~12%伸びる=フォード予想=

 地元メディアによると、米自動車メーカーのフォードは、2019年のブラジル新車市場は対前比10~12%拡大すると予想しています。南米における同社の法人担当副社長、ゴルファーブ氏が明らかにしたものです。サンパウロ市内で開幕した国際自動車ショーで語ったもので、「ビジネス環境は明るくなると考えている。成長見通しは来年の国内総生産予想に基づいたもので、直接販売は全体の40%を占めると考えている」としています。

 直接販売は自動車メーカーと大口客(レンタカー会社など)との間で行われる直接取引を指し、ブラジル国内では急成長しています。しかし直接販売は、最終消費者(一般ユーザー)向け販売と比べ、価格の値下げ圧力にさらされています。