中南米の最新情報

NPOチャレンジブラジルが、ブラジルを中心に中南米のニュースをお届けします。

「ハビブズ」GS1号店オープン

 アラブ料理を中心に提供するブラジルのファストフードチェーン「ハビブズ」は6日、サンパウロ市内タトゥアペ地区に、同チェーンが今後展開を予定しているガソリンスタンドの1号店をオープンしました。GSにはハビブズのドライブスルー店舗、イタリア料理を提供する同チェーンのファストフード店「ラガッツォ」が併設されています。


 同GSではピーク時間帯以外に給油客を呼び込むため「電撃特価セール」を実施します。燃料価格を下げた時にはGSの屋根の照明と床面のLEDランプの帯が点滅し、価格を表示するデジタルパネルに価格が表示され、セール終了までの残り時間(30分~1時間)も示されます。
 

 ブラジルでの報道によると、ハビブズのセルジオ・イウニス常務取締役は「この1号店では月間60万リットルの燃料油が売れるとみている」と強気の姿勢です。ハビブズはガソリンスタンドとファストフード店を複合させたこの形態によるフランチャイズ店を各地に開店する予定で、イウニス氏は「20年までにブラジル全国で、30店舗のオープンを見込んでいる」と意欲を見せています。

レジ袋の「店名入り」は無料

 国内メディアによると、買い物客がスーパーマーケットの宣伝に利用されないようサンパウロ市消費者保護センターは、店名やロゴなど広告が印字されたレジ袋の販売を禁止すると官報で告知しました。サンパウロ市内のスーパーマーケットや商業施設は今後一切、自店の名前やロゴが印刷されたレジ袋を買い物客に有料で「販売」できなくなりました。

 商業施設が決定に従わず店名やロゴの入ったレジ袋を有料で販売した場合は、その施設の規模に応じて制裁金が科されます。店名やロゴが入っていないレジ袋は、これまで通り販売が認められます。

 店名やロゴの入ったレジ袋を持ち歩くことで消費者は、望むと望まざるとにかかわらず、その店の宣伝を行っています。しかも消費者は、宣伝費などを店側から受け取らず、逆に店側にレジ袋の代金を支払っています。今回の同保護センターの決定は、商業者側にだけ利益をもたらす不公平を是正する措置です。

交通監視員の武装を「拒否」方針=サンパウロ市=

 地元メディアによると、サンパウロ市役所は国会で可決された交通監視員の武器携行許可法案を拒否するようテメル大統領に求めました。同市移動性・運輸局は、「交通監視員の職権は公共の安全のために活動するのではなく、道路の安全のために交通の監視と指導を行うことにあると理解している」と反対する理由を述べています。

 武器携行許可法案は2008年、当時下院議員だったタデウ・フィリッペッリ氏(PMDB)が提案しました。法案は「交通監視員がその職務の遂行にあたって武器使用を認める」というもので、交通違反取り締まりの際に交通監視員が暴行被害に遭う事例が少なくないことから、ブラジル交通監視員協会が支持していました。

 サンパウロ市内では毎月平均5人の監視員が暴行被害に遭っているにもかかわらず、サンパウロ市交通監視員の組合は、「警察の役割を果たすのは交通監視員の仕事ではない」と武器の携行と使用を認める法案に反対しています。

 テメル大統領はまだ同法案を拒否していませんが、サンパウロ市は同市の約1400人の交通監視員を武装させない方針です。

ルーラ元大統領に連邦判事が家賃の領収書提出を要求

 パラナ・ポルタル紙によると、セルジオ・モロ連邦判事が13日、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シルバ元大統領の弁護側に、サン・ベルナルド・ド・カンポ市のマンション家賃のオリジナル領収書を48時間以内に提出するよう命令しました。このマンションはルーラ元大統領自宅の隣にあり、ペトロブラス汚職に関連した物件とされています。

 モロ判事はオブレヒト社から送られた賄賂の一部として元大統領が同マンションを受け取ったかどうかを調べています。弁護側は、「マンションのオーナーはグラウコス・ダ・コスタマルケス氏であり、元大統領は警備員を宿泊させるために賃借していた」と主張、領収書を提出するにあたり専門家の出席する非公式の公聴会を行うよう求めていました。この公聴会開催をモロ判事は却下しました。

 同判事は、「領収書は裁判所の事務局に提出されるべきもので、領収書は本物かどうかの鑑定に回される。弁護側は領収書を所持しており、提出前にコピーすることができる。コピーしておけば提出後に改ざんされてもチェックでき、専門家出席の公聴会は不必要である」と述べています。

 大統領の弁護士は、期限以内に書類を提出すると回答していますが、専門家の出席を拒否したモロ判事の処置を疑問視しており、「判事が透明性が証明される公聴会の開催を認めなかったことに驚いている」と批判しました。

 マンションのオーナーであるコスタマルケス氏の弁護士によると、「家賃の領収書はコスタマルケス氏が病院入院中に一度にサインしており、その際にルーラ氏が雇ったロベルト・テイシェイラ弁護士が立ち合い、全ての領収書を事務所に持ち帰ったはずだ」と説明しています。

 この説明に対しモロ判事は、「サインされた領収書を持ち帰ったとされる弁護士が病院を訪れた事を示す記録を求め調べたが、弁護士は病院を訪れていなかった」と反論しています。

メルセデス・ベンツが5年間で24億レアル投資

 地元メディアによると、独自動車メーカーのメルセデス・ベンツは2018~22年にかけ、ブラジル国内の商用車部門に24億レアル(約840億円)を投資、バスのシャシーとトラックを製造するサンベルナルド・ド・カンポ工場(サンパウロ州)とジュイス・デ・フォラ工場(ミナス・ジェライス州)の近代化を図る計画です。投資は両工場の近代化だけでなく、新製品の開発、サービス、技術開発にも向けられます。

 ベンツのフィリップ・シーマー社長(ブラジル法人)は投資について、「これらの新たな投資によって当社は、将来的に高いポテンシャルを持っているブラジル市場が回復したときの準備を整えておく」としています。

 2013年以降、ブラジル国内のトラック市場の規模は70%縮小しました。しかし、農業分野の大型トラックの牽引でトラック市場は危機から抜け出しつつあります。ベンツはブラジルのトラック市場は18年に20%拡大すると予測しており、今回の新規投資はこの市場拡大に向けたものです。

 ベンツによれば、17年1~9月にブラジル国内で販売したトラックの数は市場全体の28.4%を占め、バスは市場の50%以上を占めています。この9カ月間の輸出台数は、トラックとバスを合わせて1万1157台と、昨年同時期を26%上回っています。

17年の実質成長最大3%見込む=衛生・化粧品業界=

 地元での報道によると、ブラジル衛生用品・香水・化粧品協会のジョアン・カルロス・バジリオ会長は9月下旬、サンパウロ市内で開かれた見本市「in-cosmetics Latin America」の開会式で、「2017年には対前年比で実質1~3%ほど成長するだろう」と指摘しました。

 バジリオ会長はまた、「実質成長率は年末の販売動向次第で変わるが、季節要因による販売見通しは悪くない。騒々しい政治状況が消費意欲を減退させる可能性については依然として残っている」とも述べました。ブラジルは現在、同業界の市場規模は米国、中国、日本に次ぐ世界4位です。同会長は「近く日本を抜いて3位に返り咲く」との見方も示しました。

空港で現金を押収

 地元紙の報道によると、国税庁は9日夜、サンパウロ州カンピーナス市のビラコポス空港で、ポルトガルリスボンから到着した乗客が所持していた未申告の現金1万8000ユーロ(約238万円)を押収しました。この乗客は西アフリカのギニアビサウ出身の男性で、ポルトガルのパスポートを所持、当局は男性が国際的な麻薬取引に関係している可能性があるとして監視していました。

 国税庁はここ40日間に、今回のケースと似たような状況下で、2人がコカインの国際的売買によって逮捕されたとしています。1人はグアルーリョス空港(サンパウロ州)で、もう1人はリスボン空港(ポルトガル)で逮捕されています。同庁は声明を発表し、「(今回)押収された現金は違法な目的のため(コカイン購入など)に使用される可能性があった」と指摘しています。

17年の予想インフレ率低下

 地元での報道によると、ブラジル中央銀行(BCB)が公表した週次レポートで、インフレ率は前週よりも低く、経済成長率は前週よりも高いことが判りました。100を超える金融機関のアナリストが予想したものです。

 インフレ率の予想は、2017年は2.95%、18年は4.06%といずれも前週よりも0.02ポイント低いものでした。経済成長見通しは、17年は前週よりも0.02ポイント高のプラス0.70%、18年は0.08ポイント高のプラス2.38%になっています。

A型肝炎が急増 昨年の7倍=サンパウロ市=

 サンパウロ市保健局の発表によると、過去一年間(9月16日まで)にA型肝炎として届けられた患者数は517人で、この内2人が死亡しています。昨年の患者数は64人で死亡者も出ていなく、今年は700%以上も増加したことになります。国内メディアが報じています。

 サンパウロ市内で症例が確認された517人中452人は男性です。年齢層を見ると、415人が18~39歳です。感染者のほぼ半数(237人)が、無防備な性的接触で感染し、汚染された水や食品からの接触感染者数は53人でした。サンパウロ州全体の患者数の90%がサンパウロ市民が占めています。

 A型肝炎は、肝臓にウィルスが感染して発熱する病で、衛生状態が悪い場所で感染しやすく、とくに子供が危ないといわれます。この感染を予防するには、性交時のコンドーム使用や性交前後の手洗い、性器および肛門部の洗浄、食事前の手洗いが効果的とされています。

オバマ氏がブラジルで北朝鮮との対話強調

 グローボ紙によると、ブラジル訪問中だったバラキ・オバマ米国元大統領が5日、サンパウロ市で開かれたイベント「グローバル市民」で講演、「北朝鮮は真の脅威だが、戦車や戦闘機では問題の解決は出来ない」と持論を展開し、外交政策で解決を図るべきと強調しました。

 オバマ氏は、「(北朝鮮の問題は)軍隊の関与なく解決できる。成功した経験もある。北朝鮮の挑発に乗るべきではない。対戦相手と銃を使わずに問題を解決することこそ、外交というべきだ」と外交力の発揮を訴えました。

 オバマ氏は、大統領だった2011年にミシェレ・オバマ夫人と2人の娘と共に、リオデジャネイロ市を訪れ、ジルマ・ロウセフ元大統領と会談しています。6日、オバマ氏はアルゼンチンに向けブラジルを離れました。