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教師になりたい若者が減少

 エスタード紙電子版24日付によると、経済協力開発機構の生徒学習到達度調査報告書「有効な教員政策」で、教師になりたいと考えている生徒が、ブラジルではわずか2.4%だと分かりました。10年前は7.5%でした。同開発機構諸国の平均は4.2%で、こちらも10年前の6%から低下しています。この低下傾向を開発機構は社会的な認識や給料が低く、職業としての魅力に乏しいと分析しています。

 25歳の男性教師は、「高校時代、同級生の多くが医師や弁護士を目指して勉強していたが、生物学を教える教師になりたいと思っていた。その考えにクラスメートや教師は驚いていた」と話しています。この教師は、私立高校の奨学金を受け、その後に生物学と教員資格を修めました。現在は、サンパウロ州沿岸部の市立小学校で、6~7才の生徒を対象に授業を行なっています。「家庭が経済的に豊かでない場合、教師への途は悪い選択ではない。私立学校では、ハイレベルの職業を選ぶよう勧められますがーー」とも語っています。

 同報告書でも、ブラジルでは両親の学歴が低いほど教師希望の児童が多くなっています。小学校のみを卒業した両親を持つ児童の3.4%が教師を希望し、両親が高等教育を修了している児童の教師希望者は、1.8%に過ぎません。

 大学の文学部2年生の学生は、「高校の時に通っていたオートメーション科の技術学校の教師には、教師になるのを勧められなかった。教師は給与が低く、世間の評価も低いためストレスにさらされるという理由からだった」と話しました。この学生も低所得の家庭で育っています。「私の家族は、1人あたりの収入が300レアルの月収で生活していた。ポルトガル語の教師が実施していた文学プロジェクトに参加することで、教師への意欲が高められた。自分が受けたのと同じ援助を他の児童・生徒に与えたい」という意欲を持っています。