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ジルマ、テメル両氏当選無効の審理開始

 ブラジル国内での報道によれば、選挙高等裁判所で6日から、2014年の大統領選挙で当選したジルマ前大統領とテメル副大統領(当時)の当選無効の審理が始められました。ブラジル民主社会党の訴えによるものです。審理で当選無効の判断が示されても、テメル大統領は上訴が可能です。テメル大統領は現在、食肉大手JBS社幹部の司法取引証言に基づき汚職司法妨害などの疑いで連邦最高裁判所の捜査対象となっており、これが選挙高裁の審理に影響を及ぼす可能性も指摘されています。

 今回の訴えは、14年の大統領選で敗れたネベス上議(ブラジル民主社会党党首)の所属党が起こしました。訴えではジルマ氏を正大統領、テメル氏を副大統領とした選挙人名簿(通常シャッパと呼ばれる)を掲げた選挙運動で、未申告の選挙資金口座にペトロブラス汚職で恩恵を受けた企業から不正な寄付を受けており、当選は無効としています。ジルマ、テメル両氏とも訴えの内容を否定しています。

 6日からの審理は3日間行われ、初日は報告官を務める判事の意見書読み上げ、訴えた側と弁護側、検察による意見陳述が行われます。最終的には判事7人の投票で判断されます。投票の際、判事7人のうち一人でも再検討の時間を求めた場合、審理は中断、延期されます。