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W杯で邦人保護総数は56件

 サッカー・ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で日本代表を応援するために来伯していた日本人サポーターは約7000〜1万人に及び、日本代表戦が行われたレシフェナタルクイアバ各市とサンパウロ、リオなどの都市部で強盗・窃盗や旅券紛失などの事件が相次ぎ、サンパウロ新聞の調べで日本人保護件数が56件に上ったことが分かりました。

日本人保護状況

 在サンパウロ総領事館によると、ブラジル全域の領事館での日本人保護件数は6月26日現在56件でした。内訳は強盗(6件)・窃盗(23件)を含めた犯罪被害が29件、旅券紛失等・その他の相談が23件、地元警察当局による日本人の一時拘束が4件(うち、チケット転売行為3件、競技場内への拡声器持ち込み1件)となっています。在サンパウロ総領事館管内では強盗事件は起きず、窃盗が13件、日本人の一時拘束が1件(クイアバ)でした。
 強盗事件の発生場所と件数は、レシフェ2件、サルバドール2件、ナタル1件、リオ1件です。レシフェでは6月15日、同市旧市街のサンジョゼ市場付近の路地を友人と観光していた日本人2人が、刃物を所持したブラジル人の少年2人に脅され、カメラと財布(約8万円)を奪われました。
 在ブラジル大使館臨時事務所が置かれたナタル市内では同19日、レストランで食事していた日本人1人がひったくりの被害に遭っています。リオ市内では同22日、日本人観光客が中心部を歩いていて15歳前後の少年2人に刃物で脅され、所持していたカバンの中から現金、カード類とスマートフォン2台を奪われました。

県人会宿泊利用状況

 ブラジルワールドカップ日本人訪問者支援委員会で在伯日本都道府県人会連合会(本橋幹久会長)が担当した緊急宿泊支援では、宮城、福島、秋田、高知の4県人会がW杯期間中の会館提供を行い、同25日現在で実際に日本人サポーターが宿泊しているのは宮城と高知の2県人会でした。中沢宏一宮城県人会長によると、宿泊利用者数は6月5日から同26日までで約100人に上り、W杯閉会(13日)までにさらに増える可能性があるとしています。宿泊者は学生旅行者、社会人のほか、大学研究者や高齢者などと幅が広く、中には祖父と親子3代で泊まった日本人家族もいました。中沢会長は「お陰で皆さんに喜んでいただいて、交流の場になっている。我々にとってこうした日本とブラジルの交流は財産になる。これからも連絡を取り合っていきたい」と話しています。
 高知県人会では、高知出身のサポーターを含めわずかに2人の宿泊でしたが、日本から相次いだ問い合わせメールには宮城県人会を紹介したりしたそうです。

援協医療施設等使用状況

 支援委員会で主に医療部門を担当したサンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)によると、同26日までに援協各施設を利用した日本人は3人。うち1人は風邪の症状のため日伯友好病院で受診し、残り2人はリベルダーデ医療センターで受診しました。26日に行われた6月の定例役員会で菊地会長は、「事故なく無事で良かった」と今回の支援委員会への参加を振り返りました。