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福島原発事故の余波で原発建設に遅れ

 地元での報道によると、国営原子力発電所のオットン・ピニェイロ・ダ・シルバ所長は、世界的な原子力発電所の操業および建設中断の動きは「主に政治的な理由」と語り、ブラジルも福島第一原発の事故の影響を受けて遅れ気味だと話しました。
 現在、全世界で440か所の原子力発電所が操業されています。さらに52か所が建設中で、数百におよぶ建設プロジェクトも予定されています。ブラジルでは2か所で操業中、1か所が建設中です。さらに4か所に建設が計画されています。
 シルバ所長は、2015年12月から「アングラ3」原発の操業開始を発表していますが、政府は国立再生可能天然資源・環境院が操業許可を出すために必要な原発廃棄物保管所プロジェクトに関する詳細すら明らかにしていません。この建設工事は1980年代に中断されてましたが、ルーラ前大統領の2期目に再開されました。
 また、国家エネルギープランには35年までにどれだけの原発を新規建設するかが示されています。シルバ所長によれば、この「原発カルダピオ(メニュー)」は、ジルマ大統領と閣僚らによって推進、中断が判断されるとしています。現在のところ、建設予定の4原発のうち最初の2原発は北東ブラジルのサンフランシスコ川沿いに建設される予定となっていますが、福島原発事故を受け、被害の正確な状況が把握できるまで決定は先延ばしになっています。