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ジルマ政権、対米寄りに方針転換

 地元紙の報道によると、ブラジルはこれまでの対米政策を大きく転換したもようです。国連人権会議で米国が、イラン国内の人権問題の調査を提案し、これにブラジルが賛成票を投じたためです。ルーラ前大統領時代はイランを支持してきたきましたが、この賛成投票でジルマ大統領は米国寄りに大きく舵を切り、独自路線を歩み始めたと見られています。
 国連で24日に開かれた人権会議では、米国提案のイラン人権問題調査に関する決議でブラジルなど22カ国が賛成票を投じ、反対が7、棄権14という結果でした。
 ルーラ前大統領時代、ブラジルはイランを支持してイラン寄りの政策を取ってきました。この姿勢が顕著だったのは、昨年5月、イランの低濃縮ウラン国外移送についてブラジルが支持したときです。このことから米国のクリントン国務長官は、「ブラジル・米両国の相違は深刻」と発言、これまでにない厳しい口調でブラジルを批判しました。米国務長官は、核開発を進めるイランは世界にとって脅威だと言明。その上で、「イランは時間稼ぎの外交戦略を構築しているとルーラ大統領とアモリン外相に伝えた」とし、それでも制裁に反対するブラジルに、「(イラン)問題の一部だ」と述べたほどでした。