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2014年W杯聖市会場にコリンチャンスの新競技場

 2014年サッカーW杯の開催会場が確定していなかったサンパウロ市は、カサビ市長が30日、競技場建設を予定している名門プロチーム、コリンチャンスの新競技場を視察し、同競技場をサンパウロ市のW杯会場にすると発表しました。ただ公費拠出がないため、「開会式会場として使用できるかどうかは保証できない」としています。
 27日にリオで開かれた関係者会議では、開会式会場としてピリツーバの総合施設建設が提案されましたが、期間の短さと周囲の環境問題により却下されました。サンパウロ市関係者はモルンビー競技場を再提案したものの、ブラジル・サッカー連盟(CBF)と国際サッカー連盟(FIFA)が認めませんでした。
 このため、9月1日に創設100周年を迎えるコリンチャンスが、サンパウロ市東部のイタケーラ区に建設を予定している新競技場に白羽の矢が立ったものです。現在、同地は同チームの練習場があり、地下鉄駅の目の前という立地の良さに加え、土地は市が所有しています。ただ開会式を行うには、観客収容者数を6万5千人規模とする必要があり、今後、公金支援なしでも同規模の建設が可能かどうか議論になりそうです。第1期工事を担当するオデブレヒト社は、同工事に必要な3億5千万レアル分は施設命名権でまかなえると語っています。
 カサビ市長は「開会式も見込める新競技場」と発表したものの、収容条件を満たす規模のサッカー場が建設できなければ、開会式は決勝戦が行われるリオ、またはブラジリアになるとしています。コリンチャンスのサンチェス会長は、「必要な費用は民間からかき集めてみせる」と述べ、ゴール後方に計1万7千人分の観客席を増設して対処する方針を示しています。