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連警が一斉摘発 、10州で21人逮捕

 児童性的虐待児童ポルノサイトなどを捜査していた連邦警察は、ブラジル54市で一斉摘発を行い、連邦直轄地含む10州で21人を現行犯逮捕しました。家宅捜索では少年や少女との性交シーンなどを収めたDVDやパソコンが多数押収され、生後6か月の乳児が対象とされたものも見つかっています。今回の摘発は国際刑事警察機構(インターポール)と30か国が協力し、81人に逮捕状をとるという世界でも類を見ない大規模なものでした。
 インターポールによれば、ブラジルの児童ポルノ犯罪はドイツ、スペイン、英国に次ぐ世界4番目の多さ。近年はインターネット上で写真や動画を公開する児童ポルノサイト関連のものが多く、今回の捜査も昨年ドイツで摘発された違法サイトがきっかけになっています。
 独当局の摘発の際、同サイトの登録ユーザーとして検挙されたブラジル人人は781人に上り、世界91か国中最多でした。連警はこのリストを基に昨年4月から内偵を進め、今回の一斉摘発となったものです。
 逮捕者の氏名や職業は未公表ですが、半数がサンパウロ州在住。検挙された全員が男で、大多数が中流階級以上の人でした。年齢は未成年から高齢者まで多岐にわたり、60歳以上も4人。連邦警察の高官も逮捕されています。

3割は病的な変質者

 同警特捜部によれば、逮捕者の3割が「病的」な変質者。自分の継子や親戚の子、近所に住む子供などを自宅などで性的虐待し、その様子を写真やビデオに収め、パソコンやDVDに保存していました。押収されたものの中には、サディスティック用具を使って虐待するものや、生後6か月の乳児を対象としたものもあり、捜査員も驚いたといいます。家宅捜索では、武器や麻薬も押収されました。
 子供に自身の性器や自慰行為、他の子供との性行為を見せるだけでなく、実際の性行為に及ぶ性的虐待は、年々エスカレートする傾向にあります。比較的裕福な成人男性が加害者である場合が多いのですが、中には成人女性が少女を虐待するケースもあります。プレゼントや食べ物、映画などで子供たちを巧みに誘い、神父や小児科医、教師といった聖職者が犯行に及ぶことも報告されています。