ブラジル地理統計院が6日発表した第3四半期の国内総生産(GDP)伸び率は前期比0%でした。前年同期比は2.1%増で、世界経済危機の影響を受けて1.5%減だった2009年以降で最低となりました。7日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
地元メディアによると、景気減速が数字となって表れたもので、関係者の中にはGDPの前期比伸び率がマイナスではなくゼロだったことに安堵(あんど)感が流れています。この経済の減速は、政府の経済政策によるものという見方が主流を占めています。ブラジル中央銀行は今年初め、インフレ抑制のために政策金利の引き上げや信用取引制限などの対策をとり、政府も投資を減らして支出を抑制する政策を実施しています。これらに欧州危機も加わり、ブラジルの経済減速になっているようです。
銀行やコンサルティング会社は11年のGDP成長率予想を今年初めの4.5%から3%以下へ下方修正しています。財務省も伸び率の予想を3.8%から3.2%へ変更することを検討中です。経済学者は、今年末からの経済回復を予想しています。