開けましておめでとうございます。
読者の皆様は良き新年をお迎えのことと思います。今年も相変わらず、ブラジルにご注目いただきますようお願いいたします。
まずは昨年一年間の日系社会で印象に残るニュースをお送りいたします。選定したのはサンパウロ新聞編集部です。
昨年は日本ブラジル外交関係樹立120周年記念の年で、各種の事業が開催されました。ブラジルには実行委員会(委員長=梅田邦夫駐伯日本国大使)が設けられ、「日伯友好花火大会」「日伯共同プロジェクト巡回展覧会(2月から全伯各地で)」といった特別事業も行われました。中でも大きなイベントとなったのが、秋篠宮ご夫妻のブラジルご訪問でした。
第1位 修好120年で秋篠宮ご夫妻ご来伯
10月28日から11月8日まで12日間の滞在でサンパウロ(聖)、パラナ、南マット・グロッソ、パラー、ブラジリア、リオ各州の全10都市を訪問された秋篠宮ご夫妻のご来伯。各地で日本人及び日系人と積極的に交流の場を持たれ、誰とでも気さくに話されるお二人の姿に好感を持つ人が多く見られた。
第2位 マリナ・シルバ元環境大臣が訪日
本紙創刊70周年記念事業として毎日新聞社と共催した講演会、シンポジウム「持続可能な開発と環境保護〜シルバさんと語ろう地球の未来」の講師として、元環境大臣のマリナ・シルバさんが10月に初訪日した。マリナさんは、「東北の被災地がどうなっているのか知りたい」と講演に先立ち、東日本大震災で津波の被害に遭った宮城県名取市を訪問したのをはじめ、東京・四谷の上智大学講堂で「持続可能な開発と環境保護」についての講演を行った。水銀中毒が起きた熊本県水俣市の水俣病史料館のほか、北九州市の環境ミュージアム、北九州エコタウンセンター、同リサイクル工場や広島市の平和記念資料館も視察。締めくくりは日本記者クラブでも講演を行い、「日本人の体験は歴史的な悲劇だったが、日本人はその悲劇を克服し、再生している。素晴らしい」と賞賛した。
第3位 戦後70周年を記念 多彩な平和関連行事
6月下旬にはブラジル被爆者平和協会会長の森田隆さん(91、広島)が聖市から名誉市民章を受章し、その授与式が聖市議会で行われた。自ら広島市で被爆し、移住したブラジルで平和活動を推し進めてきた功績が称えられた森田さんは「これからも世界平和のために頑張りたい」と述べ、さらなる意気込みを表していた。9月初旬には、「原爆の子」の像のモデルになった佐々木禎子(さだこ)さんの兄、佐々木雅弘さんとその息子の祐滋さんが来伯。聖州議会に禎子さんが折った折り鶴を寄贈し、同議会に常設展示された。また、当日は自身も長崎での被爆者である画家の伊藤薫さん(聖市在住)の絵画「平和」も披露され、禎子さんの折り鶴と共に常設展示された。
今月初旬には、核兵器廃絶を願って五輪発祥の地であるギリシャから贈られた聖火「ナガサキ誓いの火」が、「ブラジル・日本平和の絆交流会」の中嶋年張代表と連続11年、13回のブラジル公演を行った歌手の井上祐見さん、そして井上さんの息子で、チビッコ交流大使の笠戸丸ともやす君の3人によってブラジルに運ばれ、12日にサンタ・カタリーナ(SC)州フレイ・ロジェリオ市にあるラーモス移住地内の「平和の鐘公園」に分灯。同地で記念セレモニーが開催された。
第4位 在サンパウロ総領事館開設100周年
在サンパウロ総領事館開設100周年を記念した在外公館長表彰が8月初旬、聖市モルンビー区の同総領事公邸で行われた。受賞対象となった100団体には、各都道府県人会など各日系団体、また聖州軍警察や同州立学校などブラジル側からも選出された。
第5位 文協初の女性会長に呉屋氏が就任
4月下旬、ブラジル日本文化福祉協会の第148回評議員会で呉屋春美氏(62、沖縄)が女性として初めての文協会長に選出された。INSS(国立社会保険院)裁判、国士舘スポーツセンター日本文化公園構想など山積する問題については、3期6年間会長を務めた木多喜八郎前会長の路線を踏襲していくとしながら、「単に女性としてではなく、地方にも積極的に顔を出すなどし、皆さんのために文協をもっとオープンなものにしていきたい」と意気込みを表した。