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ペトロブラス汚職事件で日系人女性被告が証言

 地元メディアによると、国営石油会社ペトロブラス汚職事件を巡り昨年初め連邦警察が行ったラバ・ジャット特別捜査「ドルチェ・ビッタ(甘い生活)作戦」で逮捕された日系人違法両替商ネルマ・コダマ被告が12日、パラナ州クリチバ市で開かれたペトロブラス汚職事件下院議会調査委員会で証言台に立ちました。
 ネルマ被告は昨年3月、現金20万ユーロを女性用下着の中に隠し持ってイタリアのミラノへ渡航しようとしてグアルーリョス空港で逮捕されました。
 長かった黒髪を切り落として丸刈り頭で下院議会調査委員会に現れたネルマ被告は、「下着ではなく、ここに入れていたの」と述べながら立ち上がって後ろを向き、尻の両ポケットを指差しました。親指と人差し指で札束の厚さを示し、「パンティーの中にこんな厚いものが入るわけないでしょう」と笑顔で語る余裕も見せました。
 ネルマ被告は、同作戦で逮捕された後、減刑付き証言制度の適用でペトロブラス汚職事件に関与した政界の人物らを暴露した違法両替商アルベルト・ヨウセフ被告の元恋人といわれ、「両替界のマダム」の呼び名で知られています。マネーロンダリング資金洗浄)を計画した主犯として、すでに罰金と懲役18年の実刑判決が下りています。
 2年間で2億2100万レアルの不正資金を動かし、91回にわたって合計520万ドルを外国へ違法送金したとされています。現在はクリチバ市で刑に服していますが、懲役期間を決める判決では、担当の刑務所職員が心臓発作を起こした際に脱獄を試みず職員を介抱した行動が考慮されました。
 ネルマ被告は減刑付き証言制度の適用を受け入れる考えを明らかにしており、ペトロブラス汚職事件の解明が飛躍的に進むと期待されています。