国内メディア5日付の報道によると、犯罪組織の片棒を担いだ容疑でサンパウロ州軍警官53人が、同州検察庁によって起訴されました。起訴状によると、サンパウロ市内南部に拠点を置く同州軍警察第22大隊に所属する53人の警官が、サンパウロ市を拠点に暗躍する犯罪組織「Primeiro Comando da Capital」(州都第1コマンド、通称PCC)とつながりを持ち、同組織に便宜を図った、としています。
検察は、「起訴した53人は管轄地域内での麻薬取引を容認し、PCCの構成員になっていた」と語り、麻薬売買にかかわっていただけでなく、公金横領や収賄、職務上の守秘義務違反など数々の違法行為に手を染めていたと指摘しました。
捜査は匿名の告発で始まりました。告発は軍警の手口の詳細を記述したもので、押収した大量の麻薬の件で売人と交渉し「現行犯逮捕を免れたいなら金を払えと売人に要求、犯人として未成年者を差し出せばいいと提案する」といった内容でした。ブラジルでは、未成年者による麻薬の所持や密売の場合、その程度や過去の犯歴などにもよりますが、一時的に身柄を拘束されても保護者が警察署に出頭して所定の手続きを済ませれば釈放されます。
起訴された警官が犯罪組織内で果たしていた役割について検事は「麻薬売買の邪魔をさせない、売買現場付近にパトカーを近付かせない、地元における警察活動の情報提供、麻薬の押収や売人の逮捕が行われないように公文書を改ざんする」などの悪質行為を指摘しています。