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デザイナー、三宅一生さんの死去を報道

 ブラジルのメディアが9日付けで、ファッションデザイナー、三宅一生さんの死去を報じました。報道では、日本では9日に発表されたが、共同通信によると三宅さんは、5日に肝臓癌で亡くなりました。享年84歳でした。

 三宅さんは広島の生まれ。7歳のとき教室にいて原爆に遭っています。彼は、原爆投下時に何が起こったかについては話したがりません。2009年、オバマ米大統領(当時)の訪日キャンペーンの一環としてニューヨーク・タイムズ紙に寄稿した際、「原爆を生き延びたデザイナー」というレッテルを貼られたくないと述べ、ダンサーかスポーツ選手になりたかったと語っています。が、姉が持っていたファッション雑誌を読んで、デザイナーに方向転換したそうです。

 彼は東京の美術大学グラフィックデザインを学んだ後、パリでファッションデザインを学び、現地の有名デザイナーであるギ・ラロッシュやユベール・ド・ジバンシィのもとで働いた後、ニューヨークへ渡りました。1970年、東京に戻り、三宅デザイン事務所を設立しています。その後三宅さんは、ハンドバッグ、時計、香水など10数種類のファッション・ラインを開発し、1997年に引退して研究に専念するようになりました。

 三宅さんはティーブ・ジョブズさん(Appleの共同創業者の一人で、同社のCEOを務めた)が着ていた黒のタートルネック・ジャンパーのデザインを担当したことでも知られます。タイムズ誌の元編集者が書いた伝記によると、このジャンパーのデザインは、1980年代初頭に三宅さんと親しくなったスティーブ・ジョブズさんが黒いタートルネックのジャンパーを作ってくれるよう頼んだそうです。