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ブラジルにやってきた2機の巨大飛行機

 ブラジルのメディアによると、「世界の終わりの飛行機」と呼ばれる米軍機E-4Bが25日、ロイド・オースティン米国国防長官を乗せブラジリア空港に着陸しました。米国国防長官は26日から始まった「第15回米州防衛大臣会議」(34カ国代表が出席)に参加のため来伯したものです。

 長官が乗ってきたE-4Bは最大112人を乗せ、飛行中に燃料を補給することで長距離を飛べ、戦争ともなれば数日間は空中に留まり、緊急命令を実行ことができます。

 E-4Bは、ブラジルに到着した「クジラ」機として知られる貨物機「エアバス ベルーガST」に続く2機目の航空機です。両モデル機ともブラジルに降り立ったのは初めて。E-4Bはブラジリア基地の格納庫に収容され、2機目のベルーガは約150人のカメラマンが見つめる中、25日にカンピーナスのビラコッポス空港に到着しました。

 E-4Bは、旅客や貨物の輸送に使われるジェット機ボーイング747-200」を軍用化したもので、4基のエンジンを搭載し、機内はコマンドワークエリア、オペレーションチームの仕事場、通信室、ブリーフィングルーム、休憩所、会議室の6つのエリアに分かれています。

 米空軍によると、E-4Bは電磁パルスの影響から保護されており、高度な電子機器やさまざまな通信機器をサポートするために設計された電気系統を備えています。また、衛星通信システムを搭載しており、乗客・乗員は世界中のリーダーとコンタクトを取ることができ、核や熱の遮蔽、音響制御、技術制御の強化、電気部品を冷やす空調システムといった米国政府専用機の構造と似たものになっています。

 ベルーガは、エアバス社の貨物機の商品名で、他の航空機の部品などを大量に輸送します。大きいだけでなく、見た目がシロイルカに似た形をしていることでも有名です。同機のモデルは2つあり、今回、ブラジルにヘリを運んできたのはベルーガSTです。1994年から稼働を始め、現在は製造されていません。後継機は2020年に初商業飛行を行ったベルーガXLで、順次XLに置き換わっていく予定です。